福岡銀行 営業店の法人担当から、本部新規事業のエンジニアへ転身。
就職・起業・新規事業など、既に多方面で活躍をしているG’s ACADEMYの卒業生。
彼らはなぜ入学をし、どうやってキャリアチェンジしていったのでしょうか?
そんな疑問を多種多様な10名の卒業生に、深いところまで踏み込んで聞いてみよう!というのが『Why meインタビューシリーズ』。
インタビューの中では、彼らのバックグラウンドや体験談に加えて、G’sのCREDO(7つの行動指針)を絡めて、各々の感じた「G’sらしさ」についても語ってもらいました。
★CREDOとは?― G’s ACADEMYの7つの行動指針01 Cool, Geek, Act with Passion
02 好奇心で自走せよ
03 体感こそ知識、体現こそ知恵
04 DCAPで動き、Deployにこだわれ
05 常識や権威ではなくミッションで選べ
06 全力で走り抜く感動が至上
07 Always Ask “Why me?”
今回は福岡DEVコース3期卒業で、社内でのキャリアチェンジに成功している鶴さん。
G’s ACADEMY FUKUOKAの阿比留と児玉が、仕事を辞めずにキャリアチェンジに成功した秘訣や心境の変化についてインタビュー。
鶴さんの職場であり、先進的な取り組みを行っている「福岡銀行」さんにお伺いして、事業戦略部の蘆原さんにもお伺いしてきました。
〜 不純だったエンジニアになりたい動機 〜
― まずは、簡単に鶴さんの経歴を教えてください
1994年生まれです。新卒で福岡銀行に入社しました。
高校・大学とラグビーしかやらず、大学でも社会学部ということで「プログラミング」とは縁のない世界で育ってきました。
「挫折感」のようなものも特に感じた経験はなかったのですが、色々なきっかけや出会いが重なって「自分を変えれたらいいな」って G’s ACADEMY に通うことにしました。
本当に色んな人との出会いや、たくさんの経験を得ることができて、その結果として今があるって感じです。
― 地場の大手に入社できた。というのは、”自分を変えよう”とか「チャレンジ」しなくても良い環境じゃないかなという印象がありますが?
元々、家系が「金融関係の一家」なんです。
進路も「自分で選択してきた」という感覚はあまりなかった事と、母の体調が心配だったので、銀行×福岡となるとここしかないなと。
ネームバリューのある地方銀行に、内定をもらえたのは運が良かったなと感じています。
入社して2年目に、知人からの紹介で「グローバルチャレンジ」という福岡市主催のグローバルスタートアップ育成プログラムに参加したことで、世界が広がったというか「こんなことがやりたい」っていう目標ができました。
上下関係の厳しい体育会系で育ってきたので「年齢に関係なくフラットな関係で意見やアイデアを出せる」というのも、とても刺激的でした。
― そこからG’s ACADEMYに行こうと決心されたんですね。入学前には「エンジニアになりたい」っていう想いがあったんですね
グローバルチャレンジで知り合った方によくキャリア相談をしていたのですが、その方からG’s ACADEMYっていうスクールが福岡にできたから行ってみたら?って紹介してもらって。それでG’s を知りました。
エンジニアになりたい動機は、結構不純で、、、
営業の仕事とかと比べて、フリーランスのプログラマーは自由で年収1,000万も狙えると聞いて「それ、めっちゃいいな。楽そう!」って感じでした(笑)
〜 面倒なことから逃げていた自分と向き合った半年間 〜
―ご自身の持っていたイメージと比べて、実際に入学した G’s はどうでした?
いやいや、それが大違いでした!
入学前の学校説明会で児玉さん(G’s ACADEMY 総責任者)から『ここはプログラミングスクールではありません』って話があって「あれ?間違えたかな」って思いました(笑)
G’s には “授業料後払い”っていう制度があるから「まずはやってみようかな」って入学試験を受けましたが、入学式初日から担任の阿比留さんからも『ここは教えるところではなくて、自分で情報を掴み取る場所です』って話があって。
自分は「大丈夫かな」って心配になりました。
でも、実際に授業が始まってからは、全てが新鮮で授業後に毎回出される課題も楽しかったし、デザインのことやプロダクト作りの考え方とか、毎日ワクワクして過ごせました!
「自分の頭の中のイメージが形になる」っていうのが楽しくて、第3回目の「Canvas」を使ったJavaScriptの授業は最高に楽しかったです!
楽しいことはのめり込むタイプなので「誰よりもコード書いてやろう」って決めて、できるだけ時間を作ってコードを書いてました。
― 書くことに打ち込む反面、鶴さんは「企画(作りたいプロダクト)」で苦戦していたイメージがありますが
そうなんですよ。最初に考えた企画は「ネガティブTwitter」っていうものでしたが、今思えば「ないな」って思いますね(笑)
何度も担任の阿比留さんに企画相談しましたが、何度も『本当にそれが作りたいの?』って聞かれて、あの時は仕事も手に付かないくらい、どうしようってずっと悩んでました。
それまで “面倒なことは避ける” タイプであんまり自分と向き合ったりしてこなかったんですが「自分の好きなこと」にフォーカスして企画をひねり出して。
LT(ライトニングトーク:短時間でのプレゼン) で、みんなから『めちゃくちゃ良かったよ!』って褒められた時には、そんな反応を期待してなかったので、めちゃくちゃ嬉しかったです。
その経験のおかげで、自分の中でも変化を大きく感じるようになってきて、それまではすぐに「銀行を “辞めて”、なにをしようかな」という発想でしたが、「銀行の中で出来ることがもっとたくさんあるんじゃないか」って考えるようになっていて、半年に一回ある公募(エンジニアへの転向)がちょうど良いタイミングで始まったので、ダメ元で応募しました。
〜 成長やチャレンジを支援してくれる環境 〜
― 社内公募という大きなチャンスをモノにできたということですね。法人担当配属から半年で次の異動に対応できる銀行ってあまり聞いたことないですね。蘆原さん(福岡銀行:事業戦略部 調査役)にも、そのあたりをお伺いしてよろしいですか
システム開発の内製化を推進するために新しく発足したチームで、私自身も中途入社の1人なんです。
始めは3~4人の少数で立ち上げたチームでしたが、新卒採用 / 中途採用 / 行内キャリアチェンジを強化して人材集めに力を入れてきました。社内からも公募を募るようになったのは、単に”あたま数”を揃えるためということではないんです。
福岡銀行のデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)を推進するには文化や価値観を変えていかなければならないと考えています。
それらは、社外から人をたくさん集めてきても変わりにくいものです。
文化や価値観といった根本的な部分を改革していくためには、内部の行員にも浸透させていく必要がある。そのために積極的に取り組んでいることでもあります。
― DXを掲げている企業は増えていますが、うまくいかない理由の多くは “社内のカルチャー” が問題であるというのはよく耳にします。そこにいち早く気付き、進んだ取り組みを開始して、カタチにしている というのはすごいですよね。新しく取り組みを始めた企業やうまく進んでない企業の担当者の方たちにも参考になりそうですね。
どこかの “部門” だけでやっているという訳ではなく、経営計画で「デジタルトランスフォーメーションの推進」を明記したうえで、会社全体として取り組んでいるというのも大きいことだと感じています。
いわゆる “デジタル” に直接的に関わらない部門の方たちにも勉強会などを通じて啓蒙活動を行っていますし、企画部門との連携で「こんなものを作ったんだけどうまくいかないんだよね」といった “モヤモヤ” っとした課題を、「リーン」や「デザインシンキング」をレクチャーしながら一緒に “課題解決” していくということも動き出しています。
色々な障壁のようなものは業態に限らず出てくるとは思いますが、会社が後方支援をしっかりしてくれる環境にあるというのはとても大きいです。
担当者としては、そういった障壁に当たってもめげないというのも大事な要素の一つですね。
特に「イノベーター(革新者)」たちが集まった特殊な環境ということではなくて、他の企業でも再現性のある話だと思います。
新しいことだけを作っていくことだけであれば外部から多くの優秀な人材を取り込めば良いのかもしれませんが、既存のビジネスとの融合を考えるならば、内部の人材にも浸透させていかなければスケール(成長・拡大)しにくいです。その点からも内部人材の育成や成長・チャレンジの場はとても重要だと認識しています。
〜 変わりたい人は「行動レベル」で変化するべき 〜
― じゃあ鶴さんにとっては、やることも、環境も変わって転職したような感じですね。 そんな新しい環境の中でやりたいこと、成したいことはどんなことですか
本当に転職した気分です(笑)
ミーティング一つでも、話す内容も、自分の参加意識も変わった気がします。
社内公募に応募した時から “やりたいこと” は変わらないのですが、社内での新規事業を生み出していくこと以外にも、営業店の時に感じていた「不便さ」などを解消することに積極的に取り組んでいきたいと思っています。
普段から「もっと、こうなったら効率的なのに」とか「こうすればミスが減るのに」とかTech系の視点で気付くことが多かった気がします。
今はそれらを “作る側” の仕事に携われる ということで、その時の経験や気付きを活かすことで、もっと内部の人たちが業務を進めやすい環境づくりに貢献したいなと考えています。
Techの力で営業店を「みんなが働きやすい、仕事したい場所」 にしたい。というのが今の目標です。
― 社内外問わず、キャリアチェンジを目指す人へのアドバイスをください
“変わりたい”って思ってからはとにかく、意識レベルじゃなくて「行動レベル」で変化するようにしましたね。これまで行かなかったようなイベントに足を運んだり、なんとなく避けていた飲み会なんかにも参加するようにしたり。
あとは、通勤経路変えてみたり、いつも同じご飯食べないとか。小さいことまで「行動」を変えるようにしました。
そうすることで周りの些細な変化とかにも気付くようになってきて、視野というか世界観はすごく広がりました。
やりたいこととかあんまりなかったタイプでしたが、”デザイン” とか “人に伝えること” とか “ものづくり” とかに「あぁ自分はこういうのが好きなんだなー」って気付くきっかけになったと思っています。
自分で “変化” を感じ始めると、それもまた楽しくなって。
これまでは「やるか、やらないか」みたいな考え方があって、どこかでネガティブな自分が出てきたりしてたんですが、“やる前提” で「どうやったら出来るか」を考えるようになってからは周りからも応援してもらえることが多くなった気がします。
自分の場合には「やりたいこと」を見つけれたというのは、とても大きかったと思うので「やりたいことがない」とかで悩んでる人は「行動レベル」で変わるように、何かアクションをすると良いんじゃないかなって思います。
そして、やりたいことを見つけられたら、ひたすら取り組む。僕の場合はそれが「コードを書くこと」だった。ってことですね。
「やりたいこと」を見つけたというよりも G’s に通ってやりたいこと「思い出した」という方が近いかもしれませんね。
G’s に通ったのも「行動の変化」の流れでしたし、G’s に行ったことで、物事をなんでも「他人軸」で考えていた自分が「自分軸」で考えるようになれて、何かの判断や意見を求められたりする時に「誰かが言ってるから」っていうのとか、空気みたいなのを気にしなくなりました。
そうなったことで、自分自身の考えや意思がクリアになってきて、今は毎日充実しています。
あ、G’s の「課題」はキツかったですよ(笑)入って1週間でいきなり G’s のサイト作ってこいとか。それも含めて楽しかったですけどね。
― 最後に、鶴さんの「推しクレド」を教えてください
やっぱりAlways Ask “Why me?”ですね。
G’s に入ってから、卒業してからもずっと「なんでそれやるんだっけ」「なんでそれやりたいんだっけ」って、よく考えるようになりました。
自分視点だけじゃなくて、目にするもの、手にするものに「これはどういう考えで作ってあるんだろう」とか。
そうすることで毎日の気付きや、もっと良くなる方法とか深掘りするきっかけになっているんだと感じています。
― 取材を終えて
入学当初に「やりたいことはないんです」と言っていた鶴さんが、異動が決まった頃には「早く会社に行きたいです!」とメッセージをくれたことがとても印象に残っています。取材中は終始、とても楽しそうに話してくれました。
「誰よりもコードを書く」と決めてから、遠方からでも時間が取れれば G’s に来てコードを書いていました。そして今でも毎日のように G’s にコードを書きに来ています。
そんな努力と、それを受け入れる体制がある会社はとてもキラキラしていました。「地方発でもイノベーションは起こせる。」それを強く感じることができました。
これからも福岡から「セカイを変えるGEEK」がたくさん生まれていきます!
取材にご協力頂いた 鶴さん、蘆原さん、本当にありがとうございました。
今回、取材にご協力頂いた福岡銀行さんからメッセージ
▼システム開発の内製化組織の立上げについて、ドキュメンタリー動画を公開してます。
https://www.youtube.com/watch?v=3ShYFGs9KZk&feature=youtu.be
▼ブログサービス「note」で、DXやアジャイル開発の取り組みを発信しています。
https://note.mu/ffg_oig
▼キャリア採用ページでエンジニアを含む様々な職種を募集しています。
https://www.fukuokabank.co.jp/employment/careers/positions/