INTERVIEW

アイデアで
起業はできない?
事業創出への近道を聞く

アイデアで<br class="sp">起業はできない?<br>事業創出への近道を聞く

アイデアで起業はできない?
事業創出への近道を聞く

【ジーズアカデミーFounder児玉インタビュー】

こんにちは!
ジーズアカデミーの藤井です。
新型コロナウイルス流行により、私たちの”はたらく”には大きな影響がありました。
リモートワークが始まり働く場所に縛られないようになったり、長年変わらなかったコミュニケーション方法もオンラインへ変化したりと、働き方に考えを巡らせる機会が多くなりましたね。

そんな昨今、新たなキャリアの選択として『起業』がフォーカスされてきました。でも起業はしたいけれど、なかなか起業するアイデアがでてこない!と悩む方も多いのではないでしょうか?

本日は、創立以来ずっとG’s発の起業家のサポートをして輩出してきた、ジーズアカデミーFounder 児玉さんに、アイデアの出し方についてお話を聞いてみました!

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児玉浩康

Hiroyasu Kodama

G’s ACADEMY Founder / D ROCKETSインキュベーションマネージャー
デジタルハリウッド株式会社執行役員
25年間で10ブランドの新学校設立をプロデュース。デジタルハリウッドスクール統括の後、2015年G’s ACADEMY を設立。卒業生専用スタートアップ支援機関『D ROCKETS』も創立し、創業指導・支援を全面的にハンズオンサポート。6年で64社の起業を支援。

藤井

児玉さん、本日は起業とアイデアについて教えてください。よろしくお願いいたします!

児玉

よろしくお願いします!

 

起業するにあたって、アイデアの見つけ方について

 

藤井

起業する方法についてお聞きしたいです。
早速ですが、起業するためのアイデアの見つけ方にはどのようなものがありますか?

児玉

アイデアの見つけ方・・・というか、アイデアをムリに見つけようとする必要はないです。
そもそも、アイデアには価値などありません。

藤井

最初から前提がひっくり返りましたね。
アイデアに価値がない、とはどういうことでしょうか・・・?

児玉

”アイデア”そのものに意味は無いんです。
というのも、『誰のどんな課題に寄り添うか』によって、アイデアの価値が変わるからです。

藤井

なるほど、目的による手段が大切ということですね。

児玉

例えば「VRで睡眠を促進させるサービスはどうだろう?」というアイデアを思いついたとします。
でも、そのアイデア自体に価値はありません。
それよりも、「仕事でストレスを抱えるビジネスマン向けならどうだろう?」「高齢者に向けたものなら?」「重病で苦しんでいる患者さん向けなら?」のように、『どんな課題を持ったどんな人のためなのか』があると、このアイデアに意味が生まれてきます。

藤井

具体的にこの人に届けたい、というペルソナを考えるのですね。

児玉

いいアイデアがそのままユーザーに受け入れられるわけでも、売れるわけでもない。
「誰のどんな課題を解決したいのか」のほうが価値を生む上ではずっと大切なんです。
そもそも起業するということは、お客さんを含めた仲間を増やすことに似ています。

藤井

仲間を増やす?

児玉

『課題を解決したい!』という強い想いは、投資家も含めて仲間が増えていきます。
ビジネスが実現するまで粘れますし、ユーザーに対しても真剣に向きあうことができます。
仲間を集めるときに、いいアイデアは一つの大切な要素ではありますが、あくまで一要素なんですね。

藤井

なるほど。誰のどんな課題に向き合うかを考えるところから会社のストーリーが生まれるわけですね。

児玉

”誰のどんな課題に向き合うか”を考えるにあたっては、普段から色々なサービスを深く見る癖をつけるのがお勧めです。

藤井

既存のサービスから分析をする。

児玉

サービスの表面的なビジネスモデルや、プロダクトの感覚的な良し悪しだけではなく、なぜそれを創ったんだろう?という角度で、そのサービスの「ミッション」や創った人たちの美意識を深く推察すると、自分の企画の参考になるかもしれません。

藤井

経営理念やヒストリーにも現れているかもしれませんね。

児玉

そうです。例えばGoogleが自動運転車の開発をはじめたときも、「なぜ検索エンジンの会社が?」と不思議に思った人は多かったと思います。
でも「世界中の情報を整理して誰にでも利用可能にする」という彼らのミッションを理解していれば、どうでしょうか?

藤井

Googleは検索エンジンを運営することが目的ではなく、情報を整理して届けることが目的なのですね。
だったら今展開されている数々のサービスにも納得がいきます。

児玉

自動運転の件でいうと、自動車から得られる情報を活用した新しいサービスを考えているんだな、という推測がつくはずです。

藤井

そうですね。

児玉

1・まずはプロダクトに触ってみる
2・なぜそれを創ったんだろう?と考えて、その会社のミッションや想定ユーザーを想像してみる
というトレーニングが有効です。

 

アイデアの選び方とは?どういう基準でビジネスを決める?

 

藤井

アイデアがすべてを決めるわけではないから、まずは軸から固めていく必要があるというわけですね。
では、その軸が決まった先ではいかがでしょうか?

児玉

誰のどんな課題を解決するのかが決まったら、次は「解決方法」となります。
そこには豊富なアイデアがあるといいですね。

藤井

ここでアイデアが出てくるんですね。

児玉

「誰のどんな課題を解決するのか」(Who/What)と解決方法(アイデア)の掛け合わせで事業になります。

藤井

というと・・・?

児玉

先ほどアイデアそのものに価値はないと言いました。
アイデアは単発で面白い・面白くない、という性質のものではなく、どんな課題を解決するのか、というテーマとの掛け合わせ次第でユニークなものになります。

藤井

具体的な課題Aを解決するために、こんなにユニークな解決策を建てるということが大切なんですね。

児玉

例えば、先ほどのVRで睡眠を促進するというアイデアだとすると、通常は若者・デジタル好きな人向けになりがちですが、これまでのターゲットとはかけ離れた対象・・・例えば、ご高齢の方のアンチエイジングの課題をVR睡眠で解決する、お子さんの受験勉強の課題をVR睡眠を利用して解決する・・・などちょっと意外な組み合わせのほうが、新規事業としての価値は大きくなります。

藤井

意外性や先端技術など、色々な掛け算ができそうです。

児玉

そうですね。解決方法を選択する際には違和感のあるもの・ユニークさあるものが良いです。
また、ユニークなほうが、作り手の想いを相手が理解しようとする傾向が強いですね。
見たことがあるものだと埋もれてしまう。むしろ『違和感のある組み合わせ』であるかは大切ですね。

藤井

独自性のある掛け算が重要なんですね。

児玉

新商品というものは最初はいつも違和感があったはず。
今はヒットしているスマホもドローンもチャットツールも、みんな最初は少し違和感があったはずです。

藤井

確かに、最初は「こんなの広がるのかな?」とすら思っていた時代があったかも・・・

児玉

私たちの周りにはそういうものがたくさんあるんです。
ヒットすることによって、当初あった違和感がどんどん溶けていきます。

 

起業するべき人とは?

 

藤井

以前よりも起業したり独立したりするハードルが下がっているように感じます。
一方、企業に留まるべきなのか迷う方も多いはずです。
このような人は起業するべきではない!というパターンはありますか?

児玉

確かに起業しやすい環境が出来てきていると感じます。
ジーズができた2015年ごろよりさらに資金調達などもしやすくなりました。

藤井

国の政策として検討されるぐらいですもんね。

児玉

よく起業したら9割失敗する、なんてことをいわれていますが、私が多数見てきたテクノロジー分野の起業ではそんなことはありません。
そもそもコストの抑えやすい事業ですから、よほど贅沢しない限り借金まみれになって潰れるなんてことはほぼないです。

藤井

工場を持つような、元手が大きいものでもないですし。

児玉

じゃあどんな失敗があるのかというと、一番多いのは『起業するとは言ってみたものの、事業が何も始まらないまま終わっていく』というパターンです。

藤井

スタートで失敗してしまうパターンなんですね。

児玉

「アイデアやビジネスプランには自信あります」→「プログラミングできないからプロダクトは資金調達できたら外注します」→「とりあえずオフィス借りました」→「投資家が付かなかったので辞めます」…これは残念すぎます。

藤井

形から入って、プロダクトが完成する前に頓挫してしまうと・・・。

児玉

そもそも事業を始める、ということは、自分の手でユーザーに届け、喜んでいただき、お金をいただく状態が第一歩です。
もしあなたがラーメン屋さんを始めるなら、まずは自分で渾身の一杯を創ることから始めるのではないでしょうか?

藤井

ラーメンを作れるようになる前から開店しても、何も始まらないですよね。

児玉

はい。自分なりのラーメンの味にこだわりや想いを持って創り、次にプロの料理人を仲間にし、それから他のスタッフを巻き込んで大きなお店にしていくモノだと思います。
自分の手で一杯目のラーメンすら作らずに、周りのなんとなくの評価で辞めてしまうようでは成功どころか、スタートラインにすら立てません。

藤井

まず一杯目を自らの手で作り切り、そこから成功に向けてやっていくと。

児玉

IT分野ではプロダクトが商品です。
そんな大切な商品を人任せ、それも社外に外注にしてしまっては、想いを維持できません。
失敗する起業の多くの場合は「お客さんに届けるところまでやっていない」だけなんです。
届けることをやり切る気持ちのある人が起業するべきだと思います。

藤井

最初の一歩であるMVP開発で自分の手を動かすことを大切にしているジーズアカデミーの方針は、ここから来ているのですね。

児玉

社長は日本に270万人いて、労働人口は6,000万人ほどいます。25人に1人は社長なんですね。
案外多いと思いませんか?特別なスーパーマンでなくても、強い想いさえあれば始めることは十分可能です。

 

地方と都心、採用するべき起業アイデアは違う?

 

藤井

児玉さんは東京だけでなく、ジーズアカデミー福岡、ジーズアカデミー UNIT SAPPORO・UNIT YAMAGUCHI(2021年10月開校)の立ち上げ・運営もやってこられました。
地方での起業相談にも数多く乗ってきたことと思いますが、東京をはじめとする都会と地方だと、起業する人の傾向は違うんでしょうか?

児玉

仕事を人生で最優先にしている人は、そもそも東京・大阪をはじめとする都会に行っています。
地方に住みながら起業を考えている人は「仕事も大好きだけれど、土地の人との縁や繋がりも外せない」という想いが強くあると感じています。

藤井

何か理由がある方なんですね。

児玉

昔は地方で起業や独立をするとなると、どうしても人の縁の中で始めなくてはならなかったし、営業先や情報も身の回りからになっていました。
なので昔はマイナス要素のほうが多かった。

藤井

繋がりの恩恵が大きそうなのと同時に、独特のしがらみもありそうなイメージです・・・。

児玉

一方でインターネットの時代になり、ある特定の地方だけの特有の問題だと思っていたことが、実は全く別の地方にも同じ課題があり、インターネットを上手く使うことで両方同時に解決できる、なんてケースもどんどん生まれています。

藤井

A町の課題を元にした事業でも、実は他にも対象となる地域がたくさんあったと。

児玉

そうです。
インターネットによって情報そのものの地方格差は無くなりましたし、SNSなどを活用すれば地縁だけに依存せず、全国に新しい仲間や新しいつながりを創れます。

藤井

対象と使い方によっては首都圏に近い活用ができるわけですね。

児玉

地方の人ほどインターネットを利用した起業には、チャンスがまだたくさん残っているように感じています。

藤井

インターネットを使ったビジネスなら、地方に居てもより広い世界で闘えるわけですね。

 

起業において最も重要なこと

 

藤井

どんな状況においても起業をするには”何のために行動したいか”が重要であることがわかってきました。
最後に、起業するにあたって最も大切にすべきことは何でしょうか?

児玉

『自分が何をやりたいか』ということ。いわば美意識です。
そこがぶれていると、事業を持続させることができません。

藤井

美意識を持つこと。

児玉

起業は決して宝くじみたいな一発当たればいいというものでは全くなくて、長く長く続けることができたら勝ちなんです。
長く続くためには、強い想いを持ち続け、そして色々な人を仲間にする必要があります。

藤井

続けることは簡単なことではありませんもんね。
継続するためのモチベーションにも繋がる要素だと思います。

児玉

創立者の信念や美意識が、仲間を作っていくことにも永続することにも繋がります。
起業は途中で心が折れる要素が満載なので、折れないためにも何よりも大切なことだと思います。

藤井

自分の軸や価値観をしっかりと見つめてから事業創出に挑むことが鍵なのですね。
これから起業や新規事業に挑戦する人にも、まず取り組んでいただきたい事柄です!

繰り返し登場した「誰の、何の課題に対して行動するか」という言葉。

何のビジネスをやろうか、と悩む方は是非原点に立ち返って、自分がどんなことのために行動したいのかを考えてみてくださいね。

 

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