【イベントレポート】「これから学ぶプログラミング勉強法」ー教材あふれる現在の学習最適解とはー
「プログラミング学習、どのように取り組んでいますか?」
自宅で過ごす時間が増え、デジタルトランスフォーメーション(DX)が叫ばれるようになり、プログラミングのニーズは急増しています。
同様に、プログラミングを学べるスクールもこの1~2年でどんどん増加し、TwitterなどのSNSでアウトプットをしながら独学で学ぶ人もまた、増加しています。
一方で、学習の際に重要なことの一つは「プログラミング学習」環境自体もまた、変化が起きているということ。
・3年前に推奨されていた学習法は、今もお勧めの学習法なのか。
・今も昔も変わらない学習の本質はどこにあるのか。
プログラミング学習教材自体は無料で手に入ることさえ可能となった今、どんな学習の在り方がベストなのでしょうか。
8月24日にオンラインで開催されたイベント『「これから学ぶプログラミング勉強法」ー教材あふれる現在の学習最適解とはー』では、二人の登壇者とともにこの答えを探索しました。
今回は、イベント内容を一部抜粋するかたちでご紹介していきます。
登壇者(敬称略)
山崎大助
G’s ACADEMY 学校長/デジタルハリウッド大学院教授

28歳でアパレル業界から未経験からエンジニア転職し、SIerでのSE経験を経て、現在はMicrosoft MVP(Bing Maps Development)のフリーランスエンジニアとして、研究・活動が認められ米Microsoft公式サイトに日本人では初めて掲載される。
@IT、日経ソフトウエアなど数々のメディアで執筆を手掛け、日経PC21「名作フリーソフトを訪ねて」でも自身の開発したアプリが選出するなど、多方面で活躍。
今村 有希
G’s ACADEMYフルタイムLABコース11期生

学生時代に中国、カナダに留学、世界30か国以上をバックパックしながら過ごしたのち、新卒で半導体・FPD関連企業に入社。
その後「言語教育にITの力をもっと。」という想いでG’s ACADEMYフルタイムLABコースに入学、現在はプログラミング学習に打ち込む日々を送っている。
プログラミングを始めたきっかけ
山崎
ぼくは元々アパレルの会社員をしていたのですが、20代で体調を崩したことをきっかけに、当時の会社辞めることにしました。
そのとき感じたのは、目に見えるスキルが自分には何もないということです。これから10年、20年先も自分の名前で仕事をしていく、「山崎さんに仕事を頼みたいんだよね」といってもらうためには、自分自身で目に見えるスキルを身に着けていかないといけない。
そんな想いからプログラミングを学び始めました。

今村
ぼくは山崎先生とは全然違う動機でプログラミングをスタートしています。
もともと将来は何か自分でサービスを始めてみたいと漠然と思いながら過ごしていました。
こんなことをすると面白いのでは?こんなアイデアはどうだろうか?と。アイデアそのものはぽつぽつ沸いていたのですが、いつもそこで停滞してしまったんです。
やりたいことがあるのにそれを実現させる方法がないことに気づいたとき、プログラミングを学び、アイデアを実現させる術をみにつけようと思いいたりました。
元々モノづくりの仕事をしていて興味があったということもありますね。
ひとえにプログラミングといっても、二人のように学ぶ動機は人それぞれ。
G’s ACADEMYに入学される方々の学習動機も以下のような想いを耳にします。
・起業するために自分でwebサービスを開発したい
・社内で提案する新規事業のためのプロダクトを自分で開発したい
・社内デジタルトランスフォーメーションを推進するために、自分自身でプログラミングと向き合いたい
・エンジニアにキャリアチェンジしたい
二人が考えるお勧めのプログラミング勉強法
山崎
誤解を恐れず最初にいうと、G’sのようなスクールに入学されるのが良いと思います。唐突かもしれませんが。(笑)
プログラミング学習法自体は様々
山崎
プログラミングの勉強法といってもいろんな学び方があるじゃないですか。
例えばYouTubeやUdemyを使って動画で学ぶとか。Progateやドットインストールを使いながら学習するとか。あるいは毎日2時間、時間を確保して習慣に落とし込んでいく、ですとか。
最近は学習教材も学習方法に関する情報も、以前よりかなり増えてきました。
それらを使えば学ぶことはできるんですが、初心者の段階で「その学習法が本当に最適か?」といわれると、その判断は難しいんですよ。分からないままだと学習は続かず、作りたいものもつくれません。
でも、ぼくはプログラミングの勉強法にはある種の正解があると思っています。
プログラミングを楽しく感じて、最終的につくりたいものをつくれるレベルに到達するためには、やっぱりお金を払ってもスクールに通って自分を客観視しながら学習するのが一番早いとは思いますね。
本を使った独学に潜む落とし穴
山崎
一方でスクールを使わない場合は本での独学はやめた方が良いですね。
良い本は確かにあります。情報が網羅されていて基本をしっかり教えてくれる本はAmazonとかでもすぐに見つかります。
ただ、多くの本は1ページずつ技術の内容があって、それを順番に学んでいくスタイルで構成されています。それだと、いつプロダクトを作れるようになるのかは分からないんですよ。
本で一通り基礎を学んだ後にいざ作ろうと思っても実際そこまでモチベーションが続くことはほとんどありませんし、知識を得ても思い通りにプロダクトは開発できません。
ぼく自身、最初はそういったやり方で何年も勉強して、ものすごく時間がかかってしまったので今はあまりお勧めしていません。唯一良いと思えるのは、「作りながら学ぶ」スタイルの本ですね!
webサービスや動画を使い、様々な教材に触れてみる
山崎
今だったらwebサービスが充実しているので、独学で学ぶ場合はまずProgateを一通りやってみる。次はドットインストールで学んでみる。その次はUdemyで何かをつくる講座を購入して学んでいく、というのが個人的にはよいかなと思います。
あとはいろんな教材に触れるのも良いです。
初心者の方にありがちなこととして、一つの教材のすべてをしっかり覚えようとすることがありますが、これも一つ一つ覚えようとするのではなくまずは一通り触れてみる。全体像を肌で体感したら、それを色々な教材で繰り返す。そうすると徐々に点と点がつながって理解が深まっていく、そんな学習法が良いです。

今村
ぼくも山崎先生の考え方に近いですね。
最初はそれこそProgateなどで勉強をスタートさせていくのですが、プログラミングできるようになったなと何となく感じてくるのは、つくりたいものを一通り自分で作れるようになったときでした。
個人的に、プログラミング学習は外国語の学習と近いなと感じています。外国語って、最初は当然話せないじゃないですか。勉強を継続するとだんだん分かってきます。そしてどこかで相手とコミュニケーションがとれるようになってくる。
拙くても自分の主張を相手に伝えられたときに伸びを感じますし、それがモチベーションとして帰ってくるんですよね。
独学でもスクールに通いながらでも、自分のモチベーションを高める重要性に二人とも触れていました。
スクールに通う場合も、いかに学習に時間を割けるかが伸びに直結するので学習の要であることに間違いなさそうです。
ゼロから学ぶならどんなプログラミング言語が良い?
山崎
この話は難しいんですよね。正解があるわけではないので。
大学等で統計学を学んでいたなら、知識を生かした学習ができるのでpythonから始めるといった選択肢もあると思うのですが、本当にゼロから学ぶ場合はHTMLやCSSからスタートして、その次にJavaScriptを学んでいくのが良いですね。
・最初の学習難易度が低い
・つくったものをすぐにシェアできる
理由は二つで、最初の学習難易度が低く、作ったものをすぐにシェアできるからです。
特に、HTML,CSS,JavaScriptを使えるようになると、簡単にweb上でサービスをつくれるようになります。web上にあるものはURLをコピーするだけでつくったものをシェアできますので、モチベーションにはつながりやすいんです。「つよつよエンジニア」の方からはHTML,CSSはプログラミング言語じゃないじゃないかと意見がとんできそうですが、未経験から学習する言語ということで今回は取り上げました(笑)
今村 ぼくはフロントエンドとサーバーサイドの両方の言語を学ぶことをお勧めします。ぼく自身、最初にJavaScriptを学び、次にPHPを学習しました。PHPまで学んではじめてプログラミングの全体像を理解できたので、両方と向き合うのは大切だなと感じています。言語でいうとJavaScriptに加えてPHPまで学ぶ、ということですね。
実は最初、JavaScriptが全然わからなかったんです。それこそつくりたいものがあるけどどうにもJavaScriptでつくれるイメージがわかなかくて。
ただ、この問題はPHPを学んだらすぐ解決しました。
結論いうと、自分のつくりたいものにはPHP(サーバーサイドの言語)が必要だったんだとそのとき分かったんです。なので、フロントエンドとサーバーサイド両方に早い時期に触れてみるのがおすすめです!
フロントエンドやサーバーサイドとは。それらを駆使するwebサービス開発の全体像はこちらの記事で紹介しています。

今村さんも在籍中のフルタイムLABコースはこちら
週4日フルタイム+課題で1000時間のコーディングにコミット。プログラミング基礎から徹底的に手を動かし、知識だけではなくエンジニアの感性を体得。AIなどの先端テクノロジーもどんどん実験し、最後は一流メンターと共にオリジナルプロダクトを創る。必要なすべてが詰まったフラッグシップコースです。
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