プログラミングはキャリアにどう生きる?40歳からの学びなおし×プログラミングを語る!
こんにちは!
ジーズアカデミーの藤井です。
エンジニア起業家養成学校・ジーズアカデミーには、様々な年代、多様なバックグラウンドをお持ちの方がいらっしゃいます。
そんな中よく聞かれるのが、「○○歳なんですけど、大丈夫でしょうか?」というご質問。最近は大人の学びなおし、リカレント教育なんて言葉もよく耳にするようになりました。
今回は40歳を超えて、キャリアを重ねてから大人の学びなおしへジーズアカデミーにご入学された卒業生をお招きしました。
ジーズアカデミーでの半年間を通して、プログラミング・0からのプロダクト制作を学ばれた体験談を、本記事ではダイジェストでお届けします!
目次
【登壇者紹介】
・許斐(このみ) 健太さん
株式会社 東洋経済新報社 「業界地図デジタル」プロジェクトマネジャー (DEVコース15期卒業)
1978年生まれ。慶応義塾大学卒業後、PHP研究所を経て東洋経済新報社に入社。電機業界担当記者や『業界地図』編集長、『週刊東洋経済』副編集長を歴任。経済コンテンツをデジタルの世界でより多くの人に届けたいとの思いから、G’s ACADEMYに入校。2021年秋に運営責任者として「業界地図デジタル」をリリース。同サービスは「電子出版アワード2021」のスーパー・コンテンツ賞を受賞。 https://gyoukai.toyokeizai.net/
・戸渡 文子さん
aya & co. オーナー (LABコース9期卒業)
1973年生まれ。早稲田大学卒業・ロンドン大学大学院修了後、大阪大学にて助教として勤務したのち、英国の公的国際文化交流機関ブリティッシュ・カウンシル東京事務所にて教育プロジェクトマネージャーとして勤務。英国の起業教育を日本に紹介するプロジェクトに携わるうちに、自らも起業したいと思うようになり、退職してG’s Academyに入学。Eコマースサイトを自ら開発し、イギリスの伝統的製法を用いて作るマーマレードを販売するaya & co.(https://www.ayaandco.com/)を運営している。
プログラミングを学ぼうと思ったきっかけ
藤井(進行役):
どうぞよろしくお願いいたします!
本日のテーマでもありますが、近年”大人の学びなおし”、”リカレント教育”なんて言葉がよく使われるようになりました。
キャリアを重ねてからの学びに、プログラミングを選ばれたのは何故でしょうか。また、お二人はジーズアカデミーの入学以前もプログラミングを学んでいらっしゃったんでしょうか?
許斐(このみ):
大学時代に少しだけ触れた記憶はあるんですが、当時はプログラミングがあまり好きになれずに終わった記憶があります。
以降は出版社というアナログな世界で生きてきたので、ジーズアカデミーで学び始めたとき、プログラミングは小学生レベルでした。
戸渡:
私も会社員時代までは全くプログラミングに触れたことがなかったです。
エンジニアの方に作っていただいてWordPressでサイト立ち上げたりしたことはあったんですが、こうして自分が作る側になることは全く想像してなかったですね。
ジーズアカデミーに入る以前、起業を目指して退職したあと、HTML/CSSを勉強したことがありました。ただ、Webデザインだけでは満足できない自分がいたんです。
その頃にデジタルハリウッド大学の杉山知之学長の講義を聞く機会があって、その中でジーズアカデミーを知りました。(※ジーズアカデミーはデジタルハリウッド株式会社が運営をしています)
杉山先生がその講義でおっしゃったことにすごく感銘を受けまして。「これからの時代、人はアートとサイエンスとエンジニアリングとデザイン、この四つのスキルをまんべんなく持って生きていくと、より主体的に世界に関われるようになる」と。
アートは芸術ではなく人文系という意味なんですが、その文脈でいくと私はアートをやっていたし、研究(サイエンス)もやっていた。デザインも、Webデザインを学んだ。じゃああと学んでいないのはエンジニアリングだけだな、と思ったんです。
許斐:
週刊東洋経済という雑誌の編集者をやっていたんですが、雑誌を作る上で感じたことがきっかけで興味を持ちました。
私は雑誌のコンテンツは今でも最強だと思っているんです。無料記事がインターネットで溢れている中で、雑誌のコンテンツはお金を払って読んでもらうもの。だからこそ深掘りしたり、読みやすさを追求したり、ビジュアライズしたり、他のメディアと比べても質が高いという自負があります。
ただ残念ながら、自分が作り手として作っていくうちに、時代の流れと共に紙媒体の雑誌が読まれなくなっていく状況がありました。
一生懸命コンテンツを作っても、なかなか読まれなくなるもどかしさがあって。そのコンテンツを、デジタルの世界で届ける方法を探りたいと思ったのが一番最初です。
ジーズアカデミーに入学する前に社内の新規事業プロジェクトへ応募して、今もやっている「業界地図」という、雑誌のデジタルマップの企画を出したんです。ただ、結局その時は採用されませんでした。
なんとなく方向性が固まっていても、Webサービスの知識がないと、ディテイルの部分や裏側の仕組み、目的地に向けてのロードマップの描き方などがわからず、前に進めない。そう感じたのがプログラミングを学ぼうと思ったきっかけです。
なぜジーズアカデミーを選んだの?
藤井:
ありがとうございます。
お二人とも新たな共通点は、ジーズアカデミーに入るまではほぼプログラミング初心者だったということなんですね。
現在プログラミングを学ぶ方法も非常にたくさんありますが、その中でジーズアカデミーを選んだのはなぜでしょう?
戸渡:
先ほども少し触れたんですが、ジーズアカデミーを知ったきっかけはデジタルハリウッド大学の杉山学長です。杉山学長の講義の後、ジーズアカデミーの説明会に行ったんです。
その際に説明会で、エンジニアを育成するというよりは、世界を変える担い手を養成してるんですとおっしゃったことに感銘を受けたんです。
以前にイギリスのある大学へ仕事で行ったときに、大学でどんな人を輩出するために教育しているのかと聞いたときと全く同じことをおっしゃって、とても印象的だったんですよ。なのでジーズアカデミーの説明会でその話を聞いたとき、ここは信頼できる学校だなと思って。
許斐:
雑誌記者として働く中で、今回のような「学び直し」の特集を何度かやっていました。その際に、いくつかのプログラミングスクールに取材をしたんです。
その中でジーズアカデミーにも取材をしたことがあって、他のところと全く違う印象を受けました。
他のスクールはカリキュラムに沿ってプログラミングを学んでいくだけのところが多いんですが、ジーズアカデミーはアウトプット重視で、何か作りたいものがある上で、そこに向けて必要なスキルを学んでいくというところに惹かれました。
プログラミングを学ぶ中で最も苦戦したことは?
藤井:
ありがとうございます。ではここからプログラミングのお話を聞いていきたいと思います。ジーズアカデミーでの6か月間は、どんな6ヶ月間でしたか?最も苦しかったのはどんな時でしょう?
戸渡:
ずっと楽しかったんですが、一番苦労したのは最初の方です。入学したばかりのときは、まだ自分が作りたいものがあまり明確ではなかったんです。
その中でJavaScript、ローカルストレージと勉強していくんですが、最終的なプロジェクトが想像できていないので、なぜその技術が必要なのかがよく見えなかったんです。次第に卒業制作を意識し始めて、具体的に開発したいサービスをイメージするようになると、どんどんわかってくるんです。ある機能を実現するとき、あの時習った技術が生きるんだと気づくといいますか。点と点が繋がるんです。
許斐:
入学当初はプログラミングが全然わからなくて、真っ暗なトンネルに放り込まれたような心境で、苦労しかなかったです(笑)
コードエディターに先生がどんどんコード書いていくんですが、入学に合わせてMacBookを買ったもので、Macのショートカットのコントロールキーってどこにあるんだっけ?と探してる間に授業に置いていかれるような状態でした。
真っ暗なトンネルに光が射したのは、エンジニアにじっくり質問する機会を設けたことでした。記者という仕事柄、分からないときは「詳しい人を探して聞く」というのが、習性として身についています。その時はプログラミングに関する疑問が山のようにあったので、とにかくエンジニアを直接質問攻めにしたいなと。
ジーズアカデミーでは週末のコースに通っていましたし、週1回の講義の中で自分だけ先生を1人占めして質問攻めにするのも難しかったので、スキルシェアサイトでスポットで教えてくれる家庭教師みたいな人を見つけました。そこでプログラミングって何なのか?HTMLって何?のような、山のような疑問をゼロからじっくり聞いたのです。そしたら、これまでの講義内容の点と点が繋がりました。
そのように、自分に合った+αの補習方法を考えるのも有効だと思います。
G’s ACADEMYという場所はどういうところなのか
藤井:
では続いて、楽しかった瞬間はどんなときでしょうか?
許斐:
楽しいというより、プログラミングが分かってきてから大きな発見だったのが、プログラミングは「パクってOK」の文化だと気づいたときです。
私は職業が記者なので、人の文章をパクるというのはご法度です。でもプログラミングの世界では、誰もが他人のコードを真似することを当たり前のようにやっている。要はプログラミングは「言語」。英語と同じなんです。
英語を学習する際、誰かがネットに載せている英会話フレーズを真似しても、誰からも注意はされないですよね。同じようにプログラミング学習で、誰かの上手いコードの書き方を真似しても怒られません。それでいいんだと思ってから、視界が開けた気がします。
ジーズアカデミーではアウトプットの卒業制作まで作るんですが、その過程を通して一通り、フロントからバックエンドまでなんとなくこういうものなんだとつかめた瞬間に、ようやく一つの小さな山に登った感じがしました。
戸渡:
私はジーズアカデミーに入学前はデジタルハリウッドのスクールでWebデザインを学びましたし、基本はずっとフロントエンドを触っていたんです。ジーズのカリキュラムの中でサーバーサイドやデータベースをやり始めたとき、すごく楽しくて!
プログラミングのどこが好きかは人それぞれだと思うんですが、自分でデータベースをいじれるとか、自分が思った通りの値をとってくれるとか、それらが動いたときの喜びがすごく大きかったんです。
あともう一つは、やはり卒業制作です。前職で海外の大学と関わる仕事をしていたので、海外の大学の説明会をオンライン化し、世界中から参加者を募集できるようにするプラットフォームを作りました。
卒業制作の時期は意識して制作の時間をしっかりと作り、妥協をしないように取り組みました。妥協せず本気で作ったものが本当に動いたときの嬉しさ、それらが積み重なって一つのプロダクトが完成したとき、この上ない達成感を感じましたね。
ジーズアカデミーでの学びは、卒業後どんな風に生きましたか?
藤井:
実際にキャリアを重ねてからプログラミングを勉強して、卒業後のキャリアに生きたことはありますか?
戸渡:
卒業制作で作ったサービスを実際に走らせることはなかったんですけれど、卒業後に自分でECサイトを立ち上げて、イギリスの伝統的な製法を取り入れた自家製マーマレードを販売しています。
世の中には自分でコードを書かなくても済むEコマースのプラットフォームがたくさんあります。その上で誰かに依頼するのではなく自分でやってよかったと思うのは、一般的なプラットフォームでは実現できないような細かいカスタマーサービスをやりたいと思ったらすぐに自分で書いて実装できることです。
また、ジーズアカデミーをはじめプログラミングの世界に入ってくると勉強していたり興味を持っている人ばかりになりますが、世の中はそうでない人も多いです。
知人にWebデザインやプログラミングの話をすると、Webサイトを自分で作るという発想すら持っていない方からすごく興味を持たれたり、それが何かをお手伝いすることに繋がったりしたので、身に着けてよかったと思います。
許斐:
雑誌の編集者をしていたとき、「ライフ・シフト」という本が弊社から出ていて、これからの時代をどう生きるかというような特集をよく作っていたんです。
私自身、転職したわけではないですが、プログラミングを学んで、これまでの記者や編集者という職種に加え、デジタルコンテンツ運営の仕事をするようになりました。これは「社内ライフ・シフト」したようなものだと思っています。
私はデジタルのプロフェッショナルというわけではないんですが、今の会社は興味を持って自分から手を挙げれば挑戦させてもらえる環境でした。
今運営しているメディアは大規模なので、自分でコードを書いているわけではないですが、チームで開発するときにエンジニアと「会話できる」ことは大きいと感じています。もちろん分からない技術や専門用語もありますが、その都度聞いたり調べたりすれば理解はできる。
なんとなくでも一通り小さいサービスを自分で作ってみると、Webサービスの全体像がつかめるので、エンジニアと解像度の高い会話ができるようになると実感しています。
これから新しくプログラミングを学ぶ人にアドバイス
藤井:
自分でわかる、書けるということが生きたのですね。
キャリアを重ねて、ゼロからプログラミングを勉強しようという方に、ぜひ「こういうことをやっておけばよかったな」「こうするとより吸収力が上がる」というようなアドバイスはありますか?
戸渡:
三つあります。一つは先ほど許斐さんもおっしゃってたんですが、分からないのが当たり前なので、恥ずかしがらずに何でも聞きながら勉強をするということです。分からないことがあれば、どんどんSlackのチャットで質問を送っていました。
もう一つは、目標をはっきりさせることです。何を作りたいのかがわからないままずっと勉強していると、プログラミング力ってあんまりつかないんじゃないかなと思います。
最後の一つは、私自身は英語ができたのでアドバンテージだったと思うんですが、英語が苦手な方も英語で調べてみるということです。
プログラミングって、こう書けば動くという例がインターネット上にたくさん溢れているんです。検索すればたくさん情報が出てくるんですが、英語の情報量が非常に多いんですよ。
今は優秀な翻訳機能もたくさんありますし、それらを使って自分が欲しい情報を突き止めていく姿勢がとても大切です。
藤井:
そうですね、世界で見れば英語話者の数のほうが圧倒的に多いわけですから。
戸渡:
インドなどのエンジニアが優秀な理由がよく分かりますよね。
とにかく色々な方法で調べる癖をつけると伸びると思います。
許斐:
私は、学習していることを発信することが重要だと思っています。私の場合はたまたま職業が記者ということもあり、プログラミング学習に関する記事を書きました。
そしたらSNSなどで、記事を読んだプログラミング学習者の書き込みがたくさん集まったんです。自分もこんなに大変だったなんて書き込みもあって、学習の背中を押されました。
藤井:
最後にお二人とも、何かメッセージはありますか?
許斐:
今回のテーマは「40代から学ぶプログラミング」ですが、スクールに通う中で、20代のような若い人のほうが、プログラミング学習の吸収力は抜群に高いと実感しました。年齢を重ねると、やはり吸収力は鈍ってくるものだなと。授業も後半になると、若い人は興味が変わったり、色々な理由で脱落していく人がいて、クラスを見渡すと、意外とおじさんたちが踏ん張って学んでいたんです。
その理由は、40代以降は年を重ねた分、やりたいことが明確な人が多かったこと。プログラミングを学ぶ上では、最初にやりたいことを持っていることが一番大事なのかなと思います。
また、40代になると組織の中での権限も増えてきて、本業とプログラミングを掛け合わせて新しいことを生み出しやすくなったりもします。そんなことも合わせて考えると、人にもよりますが、プログラミングを学ぶ意義は年代によって異なるのかなと。20代ならエンジニアになること、30代は起業すること、そして40代は組織のDXとライフ・シフト、というのがプログラミング学習の意義として大きいというのが持論です。40代で迷われている方は、ぜひ挑戦されると良いのではないかと思います。
戸渡:
私もずっと教育分野の仕事をしていたんですが、講師の先生方やチューター(ジーズアカデミー卒業生の講義アシスタント)さんがとても情熱的なんです。
熱いんだけれど圧迫感があるわけではなく、自由に自力で学習していけるように背中を押してくれるんです。
不安に感じていらっしゃる方も安心して飛び込んでいただいて、体験していただきたいなと思います。40代になってこんなに熱い愛情を持って教育を受けられるのか、と思いました。
藤井:
ありがとうございました!
いかがでしょうか?
学び始めるには、遅すぎることはありません。
ジーズアカデミーでは、年齢や経験関係なく挑戦したい、世界を変えるGEEKを目指す人を応援しています。今回ご登壇いただいたお二人のほかにも、多様なバックグランドをお持ちの方と切磋琢磨できる環境です。
テクノロジーを身に着けて世界に挑戦したい、という方はぜひお待ちしております!