《コラム》
山崎学校長の講義を
ちょっと公開!
プログラミングにおける
タイピングの重要性
プログラミング学習を始める際に最初に取り組むべきことはなんでしょう。
・なにやら色々あるプログラミング言語の一つ一つの違いを調べてみる。
・初心者向けに口コミの良い参考書を購入してみる。
・YouTubeで解説動画を視聴してみる。
色々な選択肢がありますが、まず取り組むべきことのひとつがタイピング練習です。なぜプログラミング学習時にタイピングが重要なのか、山崎学校長が解説します。
山崎 大助 G’s ACADEMY 学校長/デジタルハリウッド大学院教授
Daisuke Yamazaki
8歳でアパレル業界から未経験からエンジニアとして転職。現在はMicrosoft MVP(Bing Maps Development)のフリーランスエンジニアとして、研究・活動が認められ米Microsoft公式サイトに日本人では初めて掲載される。
@IT、日経ソフトウエアなど数々のメディアで執筆を手掛け、日経PC21「名作フリーソフトを訪ねて」でも自身の開発したアプリが選出するなど、多方面で活躍。
目次
1.なぜタイピングが重要なのか
2. どんな場面でタイピングによる障害が発生するか
3. おすすめのタイピング練習法
4. お勧めのタイピングサービス
5. 練習時のポイント
6. コミュニティを活用する
7. なるべく安全に早めに失敗する
1. なぜタイピングが重要なのか
なぜプログラミングにタイピングが重要か。
結論からいうと、プログラミング学習における一番の障害がタイプミスだからです。
プログラミングが苦手という方がつまずいているエラーのだいたい90%はタイプミスによるものなんです。これはG’s ACADEMYで1000人以上の卒業生を見てきた私の実体験から、はっきりといえます。
逆に言うと、タイプミスを減らすだけで初期のプログラミング学習はスムーズに進めることができます。
2. どんな場面でタイピングによる障害が発生するか
例えばこんな場面があります。
“console.log”を”console,log”と打ち間違えていますね。
.(ドット)を,(カンマ)と打ち間違えるって日常でもありえますよね。こんな見えづらい箇所の打ち間違いひとつでエラーがでて、全く進まなくなるわけです。
エラーが生じたとき、初めてプログラミングを学習する人は、”自分が理解できていないこと”を疑います。
しっかり入力しているしタイピングがミスの原因ではないだろう、自分がプログラミングを理解していないからエラーが出るのだろう、となるんです。実際のミスはタイプミスがほとんどに関わらずこんな心理に陥るので、プログラミングの理解はできていても、ただの打ち間違いで学習が進まなくなります。
ですので、タイプミスは非常にもったいないことで、極力減らすべきです。
タイプミスを減らすためにやること
タイプミスを減らす主な方法は2つ、タイピング練習と文字を大きく表示することです。
タイピング練習は当然必要な一方で、文字を大きく表示するってとても簡単に聞こえますよね。でもこれ、とても重要です。なぜかというとタイプミスエラーでつまずく方のほとんどは、文字を小さく表示しているんです。
文字が小さいと、エラーに気づきづらくなります。例えばドット(.)とカンマ(,)って小さくしたらほとんど違い分からないですよね。目で見て確認できなくなるので、ドットがカンマだったり、スペースが全角になっていたり、色々なエラーの温床となるのです。
3. おすすめのタイピング練習法
タイプミスが多いほど学習の本質から外れてしまう話をしてきましたが、ではどのように学習していくのが良いか、お勧めの学習サイトを一つ紹介します。
TypingClubというwebサービスです。
このサービスの大きな特徴は、Keyと指の対応が分かりやすいこと、日常のPC操作では使わない記号の練習もできることです。プログラミングでは普段使わない記号({}とか$とか)も沢山出てくるのですが、その練習もできるため便利なサービスです。
全くの初心者の方は最初のレッスンから毎日一時間程度、ある程度タイピングになれている方は日々のプログラミング学習のウォーミングアップがてら、苦手な分野のレッスンを中心に20分程度実施していくのが良いと思います。
4. 練習時のポイント
深く考えずにタイプできる筋肉を鍛えていきましょう。
速さより正確さを重視してトレーニングしていきましょう。
どのキーがどの位置にあるか、正確に把握することで勝手に速くなっていきます。
今回の話に限らず、プログラミングは書いて覚えることが重要です。
つまり一番の基礎はタイピングにありますので、タイピングの正確さが学習効率を上げるポイントになるのです。
ぜひ習慣に落とし込んでみてください。