起業したい学生さん必見!
注目スタートアップCEOの大学時代の過ごし方は?
【株式会社LIG × G’s ACADEMY】による連載コラム第9弾! ジーズアカデミーのサイトにお越しになる「起業家を目指す方」「エンジニアを目指す方」に向けて役立つ情報をお送りしています。
スタートアップの第一線で活躍する起業家たち。はやければ二十歳そこそこで起業する人も珍しくないなか、気になるのは、彼らがどんな学生時代を送ってきたかではないでしょうか。
今回は、勉強・バイト・部活(サークル)・恋愛という4つの切り口から、株式会社Socket、株式会社ヒトメディア、株式会社モンスター・ラボの3社CEOにお話をお聞きしました。
特に、現在学生で起業を志している方は要チェック。今をどう過ごすかに、ビジネス成功のヒントがあるのかもしれませんよ!
● 答えてくれたのはこちらの3社長!
安藤 祐輔CEO/株式会社Socket
1981年生まれ。高校を卒業後、東京消防庁に入庁しその後、筑波大学体育専門学群へ進学。大学4年次にスポーツ経験のある学生の採用に特化した採用支援事業にて起業。その後、マーケティング分野及びEC分野にて複数事業の起ち上げと運用を担い、2012年11月に新規事業構築を基軸とした事業を行うため、株式会社Socketを創業。2014年9月にスマホ販促プラットフォーム「Flipdesk」をリリース。東急ハンズ、タビオ、アダストリア、ビームスなど約240社ほど導入され利用されている。2015年9月にKDDIグループSyn.ホールディングスの子会社化。
森田 正康FOUNDER&CEO/株式会社ヒトメディア
1976年愛知県生まれ。12歳から渡米し、UCバークレー、ハーバード、ケンブリッジなど海外の 大学・大学院を渡り歩く。ハーバード大学教育学修士、ケンブリッジ大学哲学修士。2003年、25歳の時に日本に帰国し、(株)アルクの第2次創業メンバーとして取締役就任。2006年には JASDAQ上場を果たす。2006年、hitomedia, inc.を創業し、今日に至る。それ以外にも国内外の企業の取締役、NPO団体理事、大学教授など複数の組織に参画している。
鮄川 宏樹CEO/株式会社モンスター・ラボ
1999年プライスウォ–ターハウス(現IBM)に入社し、IT・経営コンサルティング業務に従事。2000年11月、テクノロジーによって社会を変えていくインターネットの世界に魅せられ、当時日本でオブジェクト指向技術の先駆けであったベンチャー企業 株式会社イーシー・ワンに入社。2003年には会社内最年少マネージャーとしてJASDAQ上場を体験。2006年豪州Bond UniversityのMBAプログラム受講を経て、これまでの集大成となるビジネスプランを事業化し、2月に株式会社モンスター・ラボ設立と同時に代表取締役就任。2014年に企業に海外エンジニアのリソースを提供するサービス「セカイラボ」を開始し子会社化、CEOを務める。
︎Q1. 大学時代はどんな学生でしたか。勉強はどの程度していましたか
▶︎ Socket
自分の場合は少し変わっていて、高校卒業後の3年は消防士として働いていました。大学はそのあと入ったので、同級生のみんなよりだいぶ年上でしたね。1年生なのに熱燗をレンジでチンして飲むことも……。はじめは驚かれましたね(笑)。
勉強は1〜2年の時はきちんとしていました。社会人を経験してからだったので、勉強が楽しかったんです。でも3年時にオリンピックに出たいなと思い、クラブチームと部活の二本柱をやり始めてからは、運動ばっかりでした。朝練習のあと授業に出て、昼休みに走って、部活をやって、補強メニューをその後なにかしらやって……。
オフはただただ筑波の酒を減らし(笑)、ほかは練習だけで1日が終わる生活でした。
▶ ヒトメディア
アメリカの大学に通っていたのですが、出席しなくていいクラスはほとんど出ていません。クラスに行くことが学びではなく、その教授が学んでほしいことをいかに学ぶかが大事だと思いました。
興味のあることを学問として選んでいたので、勉強をあえてしたという自覚はまったくありません。学びたいことを自分のやり方で学び、教授の指示や授業が必要だと思えば、出席していました。
▶︎ モンスター・ラボ
アイスホッケーばかりしていました。出席率は20%くらいかな。成績はよくわかりませんが、専門科目のなかで数学のグラフ理論は興味がありました。女子の登場が少なかった大学生活でした(笑)。
Q2. 部活動やサークルには入っていましたか。また、どんな活動をしていましたか
▶︎ Socket
トライアスロン部でした。1年の時に主務をやり(大学に入ったのが21歳で、まわりよりおじさんだったので)、その後は、オリンピックを目指していたこともあり、ひたすら1プレーヤーとして励んでいました。個人競技なので、かなり自由度の高い部活でしたね。
下の代がインカレ優勝もしているので、結構強かったと思いますよ。
▶ ヒトメディア
海外の大学だったので、日本人が集まるクラブの会長に1年生の後半から就任し、100人以上のメンバーといろいろなイベントを楽しんでいました。
「チャレンジャー」という企画では、日本人が絶対経営していないような日本食レストランに行って、すさまじく”日本食じゃない日本食”を食べました。また、毎晩麻雀大会を開いて、負けた子にランチを奢ってもらいましたね(笑)。
サークル活動費(飲み代)は、日本人の採用を検討している企業イベントと組み、インターン生の紹介をおこなって稼いでいました。
▶︎ モンスター・ラボ
アイスホッケー部(体育会)です。毎日、夜中の3時くらいまで練習していました。副キャプテンで、4年生の時に大学初の関西学生リーグ一部昇格を果たしました。
Q3. どのようなアルバイトをしていましたか
▶︎ Socket
部活が忙しかったので、オフの時にトレーニングを兼ねて引っ越しや解体作業のバイトをしていました。
▶ ヒトメディア
自分でHTMLを組んだり、マクロメディア(現アドビシステムズ)のソフトでCD-ROM教材のようなものを作ったりする受託をしていました。あとは、ライターとして記事を日本のメディアに提供し、結果、学生時代に本を出版させてもらいました。全部、自分で売り込んで仕事をもらっていましたね。
▶ モンスター・ラボ
お約束の家庭教師や塾講師として浪人生の受験数学物理を教えたり、小学生に漢字を教えたりしていました。
アイスホッケーの部活が不規則なこともあり、シフト制のバイトではなく、日雇いで現場の仕事もしていました。学生相談所に行き、今日の仕事が書いてあるところの要項紙をパッととって……阪神電車で終電後に蛍光灯を取り替える仕事や、安全第一のヘルメットをかぶってクレーン誘導などもしました。立体駐車場の管理人もやりましたね。
Q4. ズバリ、どんな恋愛をしていましたか
▶︎ Socket
部活の練習しかしてなかったので、そっちはからっきしでしたね……。
▶ ヒトメディア
日本との遠距離恋愛や、学内の日本人の女性と付き合うことが多かったです。
▶ モンスター・ラボ
苦手でした。自分が未熟すぎてよく呆れられていました(笑)。
Q5. ご自身の経験を踏まえ、将来起業したい学生に、どのような学校生活を送ることをオススメしますか
▶︎ Socket
本当に起業したいのであればすぐ起業したほうがいいと思います。
僕はスタートが25歳で、そこから起業して複数の事業を立ち上げ、売却や撤退をしたり、続けていたりするのですが、起業に必要な能力は起業でしか培われません。
僕はスタートが遅かったので(この業界は18〜21歳で起業をする人もいるので)、爆速でがんばっていますが、どうしても、経験の差は如実に感じます。
起業して世の中にインパクトを与えたい人は、できることからでいいので、はやめにスタートすることがおすすめです!
▶ヒトメディア
学問を嫌なことと思ったら、損なだけ。好きなことを学ぶという考えをしっかり持つことが大事です。社会人はなったら永遠に続きますが、学生でいられる期間は短いもの。学生という免許をどのように使うかが、卒業後の人生を左右することは多いでしょう。
僕は学生時代に片っぱしからホームページを持っている企業のWEBマスターにメールを送っていました。その縁が縁を呼び、企業の役員のオファーがきたり、上場を経験させてもらったり、いい機会に恵まれました。
学生という身分で大人に甘え続けるのではなく、まだ甘く見てもらえる入口から入れてもらった上で、しっかりと恩を返していくことが大事。学生が義理を忘れたら、ただの無礼でだらしない人間でしかありません。
▶︎ モンスター・ラボ
海外に行ったほうがいいと思います。これから日本だけの市場を見ていても縮小していく点は否めないので、海外の会社のインターンに行くとか、若いうちに世界に触れていて欲しいと思います。
基本的に、先生・親や友達の言うことはをきくよりも、自分の頭で考えるのが大事。今のところ日本は起業のニーズも少ないですが、たとえば、起業先進国のイスラエルに行って実際に目で見るとだいぶ変わります。
また、テクニックやスキルというより、没頭できる何かをやったほうがいいと思います。自分はアイスホッケーだったけど。チーム作りや達成感を学び、糧になっていますし。
■ まとめ
いかがでしたか? 恋愛面をもう少し詳しくお聞きしたいところではありますが、安藤さんと鮄川さんはスポーツ、森田さんは企業との積極的な関わりと、それぞれに青春を過ごしてきたようです。
なかでも、鮄川さんの「基本的に、先生・親や友達の言うことはきくよりも、自分の頭で考えるのが大事」との言葉が印象的でした。経営者ともなれば、最終的な判断はいつも自分に返ってきます。学生時代をただのモラトリアムで終わらせず、「学生という免許」(森田さん)を上手に活用しつつ、「できることからはやめにスタート」(安藤さん)し、将来へ向けた学びを得てくださいね。
ライター:齋藤 玲乃
編集:LIGMO