IoTで書店体験を変える!日販ハッカソン実証実験を取材してきました
こんにちは!ジーズアカデミー広報の中村英里です。
突然ですが皆さん、最近書店に行ったのはいつですか?
「本は大体ネットで買う」「行った記憶はあるけど思い出せないくらい前」という方も多いのでは。
そんな現状を打破すべく、以前日販さんと共同開催した「書店体験を変えるIoTプロダクト HACKATHON(ハッカソン)」で入賞したプロダクトの、店頭での実証実験がゴールデンウィーク期間中に開催されたので、そちらの取材に行って参りました!
まずはパルコブックセンター吉祥寺店へ。
こちらで体験できるのは、ハッカソンで最優秀賞に選ばれた「POPSTAR」です。
ジーズアカデミー卒業生で2017年2月に株式会社雷公鞭(らいこうべん)を起ち上げた角舘 浩太郎さん率いるチームが開発したプロダクトです。
「POPSTAR」は、スマートフォンアプリのカメラを起動し店内にかざすと、店内360°いたるところに本の手書きPOPが浮かんで見えるというもの。
こちらは店内に設置されたBluetooth機器でユーザー端末を検知し、カメラ越しに手書きPOPの画像をAR空間に表示しています。
気になるPOPをタップすると、本の詳細やその本について書かれた他のPOPを一覧で見ることが可能。
ネットの口コミを見て本を買う方もいると思いますが、手書きPOPは従来のテキストベースの口コミにはない文字の質感やキャッチーなイラストといった見る人の興味を惹き付ける要素が多く、今までと違った新しい本との出逢いを生み出します。
このアプリの発想の元になったのは、開発者の角舘さんの故郷である岩手県盛岡市にある書店「さわや書店」。
店長の田口さんが書くPOPは本好きの間では有名で、今回のイベントでも田口さんが書いたPOPをはじめ、様々な書店員の方が書かれたPOPがたくさん設置されていました。
今回のイベントはゴールデンウィークのみの期間限定でしたが、5月19日(金)に盛岡駅ビル「フェザン」3階に新しくオープンする「ORIORI produced by さわや書店」、こちらの書店でPOPSTARを導入することが決定致しました!
実証実験を除くと導入書店第1号となり、どなたでもPOPSTARをご利用いただけるようになりますので、お近くに行かれる際は是非足を運んでみてください!
なおこちらのアプリはいまはベータ版なので利用は店頭のみ、そしてPOPが投稿出来るのも書店員さんのみとなっていますが、今後は自宅でも閲覧可能になり、一般ユーザーも自身が作成したPOPを投稿できるSNS機能も実装予定とのこと。
また、現状はアプリもAndroid版のみですが、今後iPhone版もリリース予定です。
以下のサイトからメールアドレスを登録すると、今後のイベント開催・リリース情報などが届きますので、ぜひぜひご登録下さい!
POPSTAR公式サイト(メール登録はこちらから)
次に伺ったのは、文禄堂荻窪店。
こちらでは同ハッカソンで優秀賞を受賞した「Bookkey(ブッキー)」を体験。
「Bookkey」は、棚の前を通り過ぎる、本を手に取るなど人の動きに合わせて映像や音声が流れたり、香りや風を発生させたりすることができるプロダクトです。
小型コンピュータ「Raspberry Pi(ラズベリーパイ)」を使用し、特設コーナーの棚には人感センサーを、棚の上に積んである本の下に重量センサーを設置することで、人の動きに合わせた動作を実現し、本の世界観を五感に訴えるかたちで表現します。
「Bookkey」は4月27日に文庫版が発売、7月には映画も公開される住野よるさんの小説『君の膵臓をたべたい』とコラボレーション。
店頭には同著の中に出てくる『共病文庫』をイメージした文庫型のノートがあり、佐野さん直筆のメッセージが。
お客さんが自由にメッセージを書き込むことができるようにもなっていて、ノートの下にも重量センサーが設置してあります。
棚の前を通ると映像と音声が流れるので、思わず棚の前で足を止め映像を眺めてしまいます。
立ち止まって本を手に取り見ていると、どこからかそよ風と桜の良い香り。人の動きを感知して扇風機で風を起こしています。
桜の香りは、『君の膵臓をたべたい』のヒロインの名前「桜良」にちなんでいます。
同じように足を止め棚の前にとどまるお客さんも多数。中には本を購入している方もいらっしゃいました。
普段あまり読まないジャンルの本だったんですが、私もこちらで一冊購入。すごく素敵なお話で、ラストではボロボロ泣いてしまいました・・・これは電車の中で読んではいけない本です。
こういった仕掛けがあると、普段と違った本を手に取る良いきっかけになりますね。
今はインターネットで注文すれば、その日の内に本が届くという便利な時代ですが、書店の良さは店内を眺めているうちに「欲しい本」以外の思わぬ本との出会いがあるところです。
「POPSTAR」と「Bookkey」、どちらも「新しい本との出会い」という書店ならではの良さを存分に引き出している素晴らしいプロダクトでした。
ジーズアカデミーは今後も様々な企業様とのハッカソンを開催し、世の中に新たな価値を生み出すGEEKを創出していきます。
プロダクトを創りたい、自分の思い描くサービスを形にしたいという熱い思いをお持ちの方は、ぜひ学校説明会にお越しください!
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