【海外レポートVol.2】スタートアップ700社の頂点は?!Tech Open Air 2017 スタートアップバトル
毎回70社以上・100人以上の企業の採用担当者・投資家が参加する、卒業制作プロダクト発表会『GLOBAL GEEK AUDITION』。
第2回優勝者の望月さんは、優勝特典としてベルリンのTechイベント『Tech Open Air 2017』に参加してきました。
現地から届いた全3回のレポート、第二弾をご覧ください!
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G’s ACADEMY週末集中DEVコース2期卒業生の望月です。
1日目のテクノロジーカンファレンス『Tech Open Air 2017』の記事に引き続き、2日目の様子も書いていきます。
2日目は、Unity創業者や音楽認識アプリShazam CTOのセッションがあったので、非常に楽しみにしておりました。また、2日に渡って、開催されたスタートアップバトルのファイナルは、本当にワクワクするものでした。
2日目のイベント会場に到着すると、シェアリングサービスの電動バイクがたくさんありました。
ベルリンの街中でもかなりの数を見たのですが、完全に電力のみで動くバイクで、使った分だけ支払う形式のサービスで、ガソリンを使用しないので、音もすごく静かです。
ドイツはエコ先進国で有名で、移動手段は自転車を使っている人がとても多いと感じました。
こういうエコなサービスもどんどんと生まれて来ていて、国と環境が生み出すサービスの特色をひしひしと感じました。

2日目のスタートは、Shazam CTOのセッションに参加しました。
10億ダウンロードを達成するまでの軌跡とこれからShazamはどこに向かうのかを話していました。
Shazamは、ガラケーの時からアプリを始めてて、8年の間、ほぼ成長なしだったそうです。しかし、iPhoneの登場とアップルストアで特集されたのをきっかけに、急激な大成長を遂げます。その後、順調に成長を続け、人間とShazamのどっちが早く音楽を認識できるか人気のクイズ番組もShazamは持っているそうで、かなりの勢いを感じました。
彼がShazamの運営を通して、言っていたことは主に二つ。
It can take longer than you think.
(思っているよりも、物事が成り立つまでには時間がかかる)
you don’t know what’s important until you have a product in the market.
(市場にプロダクトをリリースするまでは、重要なことは何も分からない)
忍耐強く、自分の信じることを続け、とにかく市場に新しいことを問い続けること。すごく勇気を貰うことができました。
Shazamは、2017年6月にベルリンにオフィスを設立し、ドイツでの成長に更なる力を入れていくそうです。

Shazamの後に続いたのは、NASAの研究者の方。
滅多にNASAの人のセッションに参加できることは無いので、本当に面白かったです。
衛星が撮影したたくさんの写真を、プレゼン中に見せてくれました。

他には、Unityの創業者のセッションがあったり、分散型アプリケーションを構築するプラットフォームを展開する『イーサリアム』の共同創業者の話があったりと、技術好きな人からすれば、最高に刺激的なセッションを過ごすことができます。

また、ヨーロッパのテックシーンを視察して感じたことは、セックステックシーンが活発ということです。
今回のイベントにも、VR用ポルノ製作の起業家の方の講演がメインステージの一つであったり、Future of SexのBryony Cole氏のセッションがあったりと、ヨーロッパのテックシーンは、非常にオープンに性について向き合っているという印象を受けました。来場者数も立ち見で座る席が無いほどに、人気なセッションでした。
2日目の最後に見たのは、Tech Open Air 2017のスタートアップバトルファイナルです。合計700(!)のスタートアップの中から、最後に残った5社が5分で発表を行います。とんでもない競争率です。

1番目にピッチしたのは、発展途上国に太陽光発電のパネルを設置するための投資プラットフォームを展開する『ecoligo』でした。個人投資家から、ソーラーパネルを設置できるだけの金額が集まったら、電気代が極端に高い場所や、電気インフラが不安定なところに設置し、その後に、途上国に電気を安定供給しながら、投資家はリターンを得ることができます。
次にピッチしたのは、複数のオンラインストレージを一括管理できるアプリケーションを提供している『CROSSCLOUD』でした。取引先とのやり取りや、会社や個人でのオンラインストレージを使う場合に、メインで使っているストレージとは別に、Google DriveやDropbox、Microsoft OneDriveなどごちゃごちゃに使わなければいけない場合があります。
そこに課題意識を感じ、一つでオンラインストレージを一括管理できるアプリを開発しているそうです。


次にピッチしたのは、自身が加入している保険を管理・適正化してくれるサービス『sherpa』。その保険の詳細を入力すると、他の最もカバー範囲が多く、コストが安い保険を探してくれる。
ちなみに、日本行きの飛行機に乗るためにベルリン=テーゲル空港でベンチで待っていたら、この人がちょうどベンチに座ってきて、色々と話しました。1週間に1回、投資家とか取引先とかに会うために、アジアから北米、ヨーロッパまで色々なところを飛び回っていると言っていました。

『スマホ時代によって、子どもたちは社会性が失われている』という課題意識からスタートした子供向けのアプリ + IOTトイを提供する『Smart Lumies』。一人では無く、みんなで遊べる用のIOTトイが特徴。現在は、いくつかの幼稚園で実装実験を行っているとのこと。

車の相乗りサービスを提供している『Zify』。行きたい目的地を選択すると、そこに向かうもしくは近くに向かう車に相乗りすることができるサービス。機械学習で、ルートのマッチを最適化している他、独自のアプリ内ウォレットを開発しているそうです。
インド出身の起業家で、現在はヨーロッパでの展開が中心だそうです。
そして、優勝したのはどこのチームだったかと言うと…
相乗りサービスを提供する『Zify』でした!
技術的な評価もすごく良かった印象です。
景品もクラウドワーキングスペース2年間使い放題だったり、色々と豪華でした。
ーイベントを終えて
今まで、日本でいくつかテックカンファレンスは参加していたのですが、今回Tech Open Airに参加してみて、全く違う体験が得られたと思います。とにかく学ぶ!というよりも、もっとアットホームで、ビール片手に話を聞いたり、ディスカッションしたりしながら楽しもうぜ!という感じの印象です。実際、イベント内では、ビールやレッドブル、ソーダなど全部無料で貰うことができます。また、一つのセッション自体も長くて30分なので、飽きさせないし、スピード感たっぷりで気づいたら、一日終わっていました。
また、セッションの質疑応答も独特で、挙手制では無く、セッションごとにツイッターのようなタイムラインがあって、そこに質問を投稿し、スピーカーに質問するという形式です。たくさん質問や意見が投稿されるのですが、参加者が質問にいいねを押すことにより、いいねの多い順に、優先的に質問されるようになっています。
挙手制では無い分、当たり障りの無い質問は無く、本当に率直に質問するので、面白いです。
年々と参加者数も増えて、規模が大きくなっているそうなので、いつか日本でも開催されることは間違いないでしょう。
次回の記事では、ヨーロッパのテックシーンで見て思ったことを書いていきます。
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