【GGA優勝者海外レポート】中国のテクノロジー&スタートアップ体験レポート(香港編)
2018年6月に行われた卒業プロダクト発表会「GLOBAL GEEK AUDITION vol.9」にて優勝した杉山さん。
GGA優勝特典である海外のテクノロジー・スタートアップ視察の権利を使って中国に行かれたということで、杉山さんからレポートを寄稿いただきました。
今回は、その後編である「香港編」をお届けします!
前編の「深セン編」はこちら
G’s ACADEMY週末集中DEVコース9期卒業生の杉山です。
今回のレポート2回目は香港です!レポート内容は、香港スタートアップ2社と香港Fin Techです。
以下が、その項目です。
1.香港サイエンスパークの紹介
2.香港サイエンスパークのスタートアップ企業2社のレポート
3.香港で開催されたFin Tech企業の展示会
1.香港サイエンスパークの紹介
今回訪れた場所は、香港政府がテクノロジー企業を支援するR&D「香港サイエンスパーク(HKSTP)」。
香港サイエンスパーク(香港科技園:HKSTP)は、香港政府が2001年に設立した研究開発拠点であり、香港の中心から約30分の新界地区に位置しており、「中国のシリコンバレー」と呼ばれる深センにも近いです。
サイエンスパーク内には、680以上のテクノロジー関連会社が入居しており、R&Dに関係している人数は9,000人以上います。中小企業間でも、オープンにコラボレーションしており今回私が直接アポイントメントをメールでとって会ってくれるというオープンな環境です。
ちなみに香港の人口は、740万人です。
HKSTP website: https://www.hkstp.org/en/
HKSTPに入居している会社の一部です。
サイエンスパークの企業は、大きく4つの分野に分かれています。
①RoboticsとAI
②バイオテクノロジー
③データー・IoT
④エレクトロニクス
各種イベントやビジネスコンテストなども盛んに実施されています。
2.香港サイエンスパークのスタートアップ企業2社のレポート
今回訪れた1社目の企業は、「Well Being Digital Limited」。センサーに特化した技術を持った会社です。
センサーと関連する分野としてIoTと密接に関連しており、特に人間のバイタルサイン(脈拍数、呼吸数、心拍数、血中酸素濃度)などの正確な測定にセンサーを研究・開発しています。
心拍数や人間の動きのセンサー、血圧測定など正確な血圧測定が可能になると非常に大きな市場であると思います。
アジアのテクノロジー関連のイノベーションのカンファレンスではいくつもの賞を受賞している会社です。
こちらの会社は製品を市場に出していくというよりはコアな技術の開発に特化しているので、担当者が同じビル内に入居しているヘルスケア企業を紹介してくれました。
今回香港で訪問した、2社目の企業です。会社名は、「Skytech Creations Limited」。
こちらの企業は高齢者の問題解決をしていくための提案を実際にしていく会社でした。
Skytech Creations Limitedのサービスは、中国で高齢化がこれから急速に進んでいくいくのを見込んで、高齢者の身体状況や位置情報その他生活の状態をモニタリングできるプラットホームを提供するサービスです。
高齢者が違和感がなく身につけられるように腕時計に各種センサーを搭載して、モニタリングできるようにしているということです。
各種センサーからの情報は、クラウドに情報を蓄積してそのデータを分析して現在の状態を把握できるようにしています。
身体機能や生活上問題があれば、管理センターでチェックできるシステムがあり必要であれば直ぐに対処可能であり家族や関係する人に連絡が即座に入るシステムになっています。
Skytech Creations LimitedのCEOとの写真。
非常にオープンマインドで、事業内容も高齢化社会の問題解決を目指しており柔軟な考え方でより実践的な起業家という印象でした。
3.香港で開催されたFin Tech企業の展示会
香港で開催された、HONG KONG FINTECH WEEKに参加してきましたのでレポートします。
世界のFintech市場は、2大市場として中国と米国市場。中国との関わりがありアジア市場もカバーできる香港は今後も重要な役割を期待されている場所です。
欧米特にヨーロッパやイスラエルのFintechスタートアップが今回のイベントでは目立ちました。
あと金融に強い英国は、香港との強い関係がもともとありますので、中国市場のベースとして英国のスタートアップ企業も多いと感じました。
私も、海外在住していた時はかなりお世話になったCiti Bankです。他の中小企業が非常に積極的に新しいサービスの開発と市場導入していく状態ですが、Citi Bankは保守的な印象でした。
Synswapという会社は、様々な国の銀行のサービス状況を可視化できるサービスを提供している会社です。日本人ですと他の国での銀行口座開設というのは馴染みがなかったりしますが、グルーバルに仕事をされている海外では多くの方が銀行口座を作成している場合には非常に便利ですね!
ファイナンスの学習をオンラインでできるシステムサービスです。日本の株式市場は既に外国人投資家の力が強いので、外国人投資家の考え方を学ぶということは今後どの様に個人レベルで投資判断していくかやAIを活用する投資など世界の最新情報から学習できます。
中国のマーケットは非常に巨大だということを、香港と深センを訪れて感じました。また、中国市場の中でプラットフォームを構築できるかどうかは成功のポイントと思いました。FinTechの分野ではそれを更に感じました。
香港のスタートアップ2社と香港でのFinTechイベントに参加して
香港のスタートアップは、香港の市場自体小さいので、マーケットも中国やその他アジア、更には欧米までもを初期段階から考えていることが多いです。言語は英語と中国語が使えるので、ビジネスをする上では非常に有利と感じました。
FinTechに関しては、香港がもともと英国支配であったことから社会システムや文化・慣習も欧米的な影響が強く、欧米企業も香港をアジアの金融の中心と一つとして考えており積極的であると感じました。
今後日本企業も、サービスを考える上で将来海外展開も計画しているのであれば、海外でのマーケティングは初期段階から行い、サービス開発をしていくことが必要だと思います。まずは、日本から近い香港・深センは海外の中でも最重要地域です。機会があればどんどん海外に行くことをお勧めします。