【海外レポートVol.1】ベルリン発!アート&テクノロジーカンファレンス『Tech Open Air 2017』へ参加してきました!
ジーズアカデミーTOKYOの卒業制作プロダクト発表会『GLOBAL GEEK AUDITION』。
毎回70社以上・100人以上の企業の採用担当者・投資家が参加する本イベントは、今日までで7回開催。スタートアップベンチャーとのミートアップの場として定着しています。
『GLOBAL GEEK AUDITION』では参加者からの投票により優勝が決められ、優勝者には海外アクティビティへの支援金が特典として授与されます。
第2回優勝者の望月さんは、こちらの特典を利用してベルリンのTechイベント『Tech Open Air 2017』に参加してきました。
現地から全3回のイベントレポートが届きましたので、ご紹介いたします!
1990年生まれ、山梨県出身。サンフランシスコ州立大学国際政治経済学部を卒業。サンフランシスコでは、現地スタートアップにてインターンを経験したことから、テクノロジーと起業に興味を持つ。その後、日本に帰国しIT系商社に入社。サンフランシスコやイスラエルスタートアップの日本市場へのローカライズ業務に従事。1年3ヶ月の勤務を経て退職。ジーズアカデミーにてプログラミングを学び、音声ガイドアプリ「Pokke」を開発、同スクールのピッチバトルにて、優勝。現在は友人と共同でスタートアップを立ち上げ、同アプリを展開中。
音声ガイドツアーアプリ『Pokke』
観光スポットのガイド解説を聞きながら、自分のペースで観光できる個人旅行者向けのアプリです。現地ガイド監修による見どころを押さえたガイ ドツアーが、スマホ 1 つで手軽に楽しめます。国内はもちろん、世界中の人気観光スポット(遺跡、教会、美術館など)をカバーした豊富な音声解説は合計 100 時間にも上り、旅中の旅行体験を向上させます。
初めまして、G’s ACADEMY週末集中コース2期生の望月と申します。
去年にG’s ACADEMYが主催したピッチバトル『GLOBAL GEEK AUDITION Vol.2』で優勝したときの特典として、ヨーロッパに16日間ほど滞在していました。
名だたるスタートアップ都市として、アメリカのサンフランシスコ、イスラエルのテルアビブなどがありますが、最近多くの注目を浴びているヨーロッパの都市でドイツのベルリンがあります。
多種多様な文化や人種が集まっていること、物価が他のスタートアップ都市に比べて遥かに安いこと、アーティストビザやフリーランスビザなど、EU諸国からハングリーで優秀な人材が集まりやすいことなどの理由から、ベルリンに拠点を置くスタートアップは年々と急増しているそうです。
今回は、ヨーロッパテックシーンの中でも、ベルリンで行われるヨーロッパのサウス・バイ・サウスウエストと呼ばれるアート × テクノロジーカンファレンス『Tech Open Air 2017』 への参加を目当てに予定を組み、ヨーロッパの国をいくつか周遊していました。
メインのイベントは2日間に渡って開催され、全世界から2万人の参加者、また講演者の数は200人以上を超え、ヨーロッパの中でも最大規模のテクノロジーカンファレンスとなっています。
今回は『Tech Open Air 2017』はどんなイベントなのか、1日目のカンファレンスなどを写真とともに簡単に紹介していきたいと思います。
まず始めに、通称TOAの略で呼ばれる『Tech Open Air』とは何なのかをもう少し詳しく説明します。
ベルリンで毎年夏に開催され、音楽 × アート × テクノロジーなど、枠にハマらない独自の発展を遂げているテック系カンファレンスです。日本でも開催されているヘルシンキ発の『SLASH(スラッシュ)』と同様にすごくエッジがある欧州のテクノロジーカンファレンスだと思います。
起業家や投資家だけではなく、ベルリンらしく多種多様なアーティストや不老不死の研究者、哲学家などのプレゼンも見ることができるのは、唯一無二と言って良いのではないでしょうか?起業家向けの瞑想セッションもあったりと、本当にわくわくする1日を過ごすことが出来ます。チケットは一般参加だと、日本円で4万円ほどかかります。
カンファレンスは、ブロックチェーンやヘルステック、IoT、AIなど様々な領域で、その分野に精通する起業家や専門家が、15分から30分ぐらいの短いスパンで、リズム良くどんどんとプレゼンしていくのが印象的です。特に、ヨーロッパはブロックチェーン立国のエストニアがあるように、ブロックチェーン/暗号通貨領域のプレゼンが非常に多い印象でした。
それでは、1日目のダイジェストを写真とともにお送りします。
ベルリンの都心部から、路面電車で40分ぐらいのところにある屋内 + 野外が一緒になっているイベントスペースで開催されます。朝10時からイベントが開始されるのですが、9時45分頃で入場待ちの長蛇の列があり、参加者の多さを感じます。
写真では男性が多いですが、女性の参加者がすごく多いという印象でした。これも、ヨーロッパテックシーンの一つの特徴かも知れません。
チケットをスタッフに見せ、リストバンドを腕につけて貰い、入場していきます。
屋外には、世界各国からの食べ物があったり、瞑想をしているセッションがあったり、音楽を楽しめるスペースがあったりします。
ここは、企業が出展できるブースがあるスペースです。日本からは、ベルリンにもオフィスがあるグッドパッチさんが出展していました。他は、マーケティング支援などのクリエイティブエージェンシー系が多い印象でした。
ベンチャーキャピタル用のスペースもあり、起業家は直接プロダクトを売り込んで、投資家と話せるスペースもあります。
仮想空間ラボと呼ばれるVRやホロレンズを体験できるスペースもあり、ヨーロッパスタートアップのVRプロダクトを体験できるゾーンもあります。
スピーカーが喋るスペースは音楽フェスのように『森林ステージ』や『イノベーションステージ』、『メインステージ』のように、ステージにより特色があります。
個人の興味や嗜好に合わせて、自由にプレゼンを楽しむことができます。ここは、森林ステージと呼ばれ、瞑想やアーティストのセッションが多いです。
メインステージの様子。朝1番なので、まだ人は少なめです。
このステージでは、著名起業家やノーベル賞受賞の研究者など、いわゆる有名人が講演するステージです。
1日目の最初に始まったのは、Google Ventures・General PartnerのTom Hulme氏のパネルディスカッション。
ヨーロッパのテックシーンにさらなる投資をしていく、特に、ブロックチェーン技術を活用したスタートアップや、バイオテック(ゲノム編集)などの領域に注目していて、投資を増やしていくといった話が印象的でした。
特に参加してみて面白かったセッションが、Bigchain DB社のプロダクト責任者・Dimitri de Jonghe氏の『ブロックチェーンとスマートコントラクト』のセッションです。ここでは、1時間ほどボートの上でセッションが行われ、参加者体験型のワークショップが開かれます。
写真は、ワークショップが終ってからの様子ですが、各テーブルにイベント参加者が散らばり話し合いながら、セッションが行われました。今回のセッションでは、ブロックチェーンとは何か?と簡単な説明から始まり、airbnbやspotifiyなどのプラットフォームがブロックチェーンを採用するメリットは何なのか?やブロックチェーンの何が革新的なのか?スマートコントラクトは何を実現できる?など、参加者で議論しながらセッションが進められ、ブロックチェーンへの理解が深まりましt。
この場所でのセッションは『リバースピッチ』と呼ばれ、起業家が投資家にピッチするのでは無く、投資家が起業家にピッチを行います。そして、プレゼンを見て、起業家が投資家にQ&Aを行っていきます。今までに、この形式は見たことが無かったのですごく新鮮でした。
こんなことからも、ヨーロッパのスタートアップエコシステムの特色が垣間見れます。
1日目は、ブロックチェーン領域のセッションに興味があって、色々と参加したのですが、一つ印象に残ったセッションが、『IPOs are so yesterday』というテーマで行ったエストニアのfunderbeam社の創業者&CEOのKaldi Ruusalepp氏のプレゼンでした。ブロックチェーンを活用し、個人投資家とスタートアップを直接結びつける中央なき投資プラットフォームを運営している会社です。
詳しい紹介は、wiredの記事をご覧下さい。
https://wired.jp/2017/02/20/blockchain-startup-01-funderbeam/

『IPOなんて、古いぜ!』っていう、Tシャツを着ながら圧倒的なプレゼンをしています。
色々なデータを示しながら、分かりやすいセッションでした。
ー1日目を終えて
初日のイベントは、バイオテック、AIやブロックチェーンなどのセッションが非常に多く開催され、Google Venturesがこれらの領域の投資を加速しているのも、納得の盛り上がりでした。
2日目は、引き続きイベントの様子とtech Open Airで同時開催されているスタートアップピッチバトルのダイジェストを中心に、紹介していきたいと思います。
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