「D ROCKETS」による出資 第一号案件【株式会社スペースエージェント】
こんにちは。ジーズアカデミー コミュニティマネージャーの神山蘭子です。
先日、ジーズアカデミーの運営会社であるデジタルハリウッド株式会社は併設されているインキュベート機関「D ROCKETS」を通じ、民泊可能な物件専門の不動産ポータルサイト『民泊物件.com』を運営するスタートアップ企業「株式会社スペースエージェント」に対して出資を行いました。
※プレスリリースの記事はこちらから
早速、スペースエージェントさんに訪問し、代表の出光さんと執行役員の梶原さんに取材をさせて頂きましたのでご紹介いたします。(開発を担当している執行役員の梶原さんはジーズアカデミー1期の卒業生です)※過去の梶原さんのインタビュー記事はこちらから
株式会社スペースエージェント
民泊可能な物件専門の不動産ポータルサイト『民泊物件.com』を運営
同サイトは今後大規模な成長が予測される民泊市場において、 民泊事業者のために民泊可能な物件情報を国内最大級で集めているWebサービスです。
[代表取締役社長] 出光 宗一郎 [設立]2015年4月
―この度は資金調達おめでとうございます!最初に事業内容をご説明頂けますか。
(出光)
弊社は民泊可能な物件専門の不動産ポータルサイト『民泊物件.com』を運営してます。民泊を運営したい人向けに、不動産会社や不動産オーナーが民泊の許可を出している物件のみを掲載していて、想定収入を表示する「民泊物件指数」という値が明示できるようにしているということが特徴の一つです。
ここ最近、急激に民泊サービスが普及して、一般の住居も宿泊場所として提供する方が増えてきました。しかしトラブルが絶えないんですね。旅行者や近隣住民との間、民泊オーナーと物件オーナーとの間など、トラブルや不安がでてくることもあります。できるだけそういったトラブルを未然に防ぎ、この業界をよりクリアで健全にしていきたいと考えています。
―民泊事業に注目をし、民泊物件.comを運営することになったきっかけは何でしょうか。
(出光)
家主さんの抱えるニーズは常に1つで、『なるべく空室を減らしたい。いかに借主をつけていくか』。そのための効率的な手段はないか、そういった手法はないかを常に考えていました。そこで出会ったのが民泊事業です。民泊事業はあくまで「空室の有効活用」という一つの手法なのです。
じゃあまずは自分たちでホストをやってみよう、と。最初は良かったんですけど、実際やってみたらすごく苦労して。外国人を泊めるって良いイメージの方は少ないのが現状で、中々民泊可能な物件を探すことができない。物件を確保するのがとても大変でした。そこで考えたのが他の民泊を運営している会社も同じ悩みを抱えているのではないか、と。それで物件のポータルサイトを運営することにしました。
―今年4月には旅館業法が緩和されたこともあり、これから民泊事業が増々拡大していきそうですが、いかがですか。
(出光)
実は苦労もたくさんあるんです。(苦笑)まず、第一には法律周りですね。動向がしっかりつかめないことがあります。そういう意味で本当に慎重に行動していかなければいけないですね。グレーな領域が多くある中で、僕らはなるべくクリアな状態ですすめないといけないですし、また、業界全体をクリアにしていかなければという面もあるのでその辺りの調整がすごく難しいです。
あと、民泊はまだまだ新しくでてきたものなので、民泊に対して良くないイメージをお持ちの方もいらっしゃることもあり、そこら辺の意識改革をしていくのが難しく感じています。
―今後に向けて、こういうことをやっていきたい、というものはありますか?
(出光)
色々あるのですが、まず前提として、これから国内人口の減少により不動産業界は2030年までに2/3ぐらいまで縮小するといわれています。人口減少により、物件はあるけどそこを利用する人がいない、という空家問題が深刻化してくるのではないかと思っています。
その2030年に民泊があるのかどうかもわからないけれども、その時に何か空家を上手く集客するような仕組み作りをこの会社でつくっていきたい、というのはあります。
また、民泊物件.comの会員さんが運営している民泊物件は大体4000件ぐらいあり、その物件数に年間10万人近くのインバウンドが訪れるんですね。このインバウンド客に何かのアプローチをしかけたいと考えている企業さんって沢山いらっしゃるんですよ。それらをうまくマッチングできるようなものや仕組みを作れないかな、と考えています。
[上:代表取締役社長の出光 宗一郎氏 / 下:執行役員の梶原将翔氏]
―ところで、話は変わりますが、出光さんと梶原さんのお二人の出会いはなんだったんですか?
(出光)
親会社のオルトリズムで働いたときに出会ったのが梶原さんでした。当時オルトリズムでは初めてITサービスを導入するというタイミングだったのですが、つくる人がまだまだいなくて。僕一人だけで企画したり、誰かとディスカッションをするという機会がなかったんです。その中で梶原さんが入ってきて。二人で「これどう思う?」という意見を交わしたり、企画をつめていくこともできて、それがめちゃくちゃ面白くて!話が進み、とても仕事がしやすいなと感じたんです。その後、オルトリズムのITの部分を僕と梶原の二人でずっと作っていましたね。
―梶原さんはオルトリズムに入ったのは何がきっかけだったんですか?
(梶原)
僕は元々教育企業に勤めていました。入社した時は規模も小さく、想いもみんなあって楽しくやっていました。しかし、だんだんと会社規模が大きくなってきたんです。なんか大きくなっていく中で動きにくくなってしまって。もうちょっとマーケティングとか効率化を考えたりしていきたいと思う中、自分の意見を活かしにくくなっていたんです。
自分で何でもやらないといけない、小さなベンチャーにいきたいな、と考えるようになりました。そんな中、オルトリズムの紙中と久しぶりにごはんを食べる機会があって。元々すごい信頼をしていて、別に不動産への興味があまりあったわけではなかったのですが、(笑)この人と一緒に働きたい、と感じて転職をしました。
―実際今はどうですか?
(梶原)
自分の思ったことをストレートに企画し、実行して形にできる、というのが面白いです。自分の責任で自分で動かすというのが面白いし、やりがいありますね。今だと民泊物件.comも自分でつくってきているので、日々会員数が増えたり、不動産会社の売上があがる、とか問い合わせがあった、とかそういう実際の手応えを感じることができるのですごく嬉しいですね。自社サービスはめちゃめちゃ面白いです!!
―話は戻りますが、今回の投資を受けることになったきっかけはなんだったのでしょうか。
(梶原)
去年の11月頃にジーズでファンドをつくろうということを考えているのを少し聞いて。その時に、僕がとある勉強会で自社のサービスの話をしたんです。それをジーズの児玉さんがすごく興味をもってくれ、もし必要だったら声かけて、なんて話もあったんです。
それが元々のはじまりでした。
(出光)
この出資の話が固まるまでのスピードがめちゃくちゃ速くてびっくりしました。それまで資金調達を考え始めてから別のところでも動いていたんですけど、実はめちゃくちゃ大変だったんです。いったいそれはなんだったんだと思うぐらいなスピードでした。ジーズと梶原さんの関係ってすごいな、と。(笑)
(梶原)
僕は事業会社から調達するなら、ジーズのネットワークは大事にしたいし、お世話になったジーズにお願いしてつながりを強くしたいな、と思っていたんです。それで決めました。
(出光)
本当に考え方が面白いですよね。今回って資金回収の目的ではないじゃないですか。VCとは違った観点から出資ということをしてますよね。他のVCとかとは全く違う観点があり、最初は何の目的なんだろう、と。こちらからすると最初は不思議でしょうがなかったです。お金じゃなくて、お金以上のつながりというか、本当にベンチャーを育てたいという考え方があり、素晴らしいなと思っています。
―出光さん、梶原さん、ご協力ありがとうございました!
D ROCKETSではジーズアカデミーと併設されているインキュベート機関が「D ROCKETS」です。今回の出資だけにとどまらず、より多くの「起業」しやすい環境を整えるために増々支援を広げていきたいと考えています。
これからもますます起業家とエンジニアの化学反応を引き起こし、「セカイを変えるようなWebサービスを日本から産み出す」ことを広げていきます。今後とも是非ご注目下さい。