【GGA特集 Vol.1】大学で犯罪心理学→G’sを経て防犯ITスタートアップにジョイン!
こんにちは!ジーズアカデミーの中村英里です。
ジーズアカデミーの卒業制作発表デモデイ「GLOBAL GEEK AUDITION(GGA)」。
採用担当者・投資家×エンジニアとのミートアップとしても認知されてきており、毎回50社100名以上の超満員で開催しています。
「セカイを変えるGEEKを養成する」というコンセプトのジーズアカデミーですが、GGAがきっかけで、自分のセカイが変わった!という卒業生3組にインタビューをしてきました。
第1回でお話を伺ったのは、NGUYEN HA NAM PHUONG(グエンハー ナムフォング)さんです。
日本国内の大学にて犯罪心理学を専攻後、ジーズアカデミーへ入学。卒業制作発表デモデイGGAの名刺交換会がきっかけで、株式会社コーデセブンに入社。
グエンさんは、GGAの名刺交換会で、株式会社コーデセブンCEO河合 成樹さんに声を掛けられたのがきっかけで、同社への就職が決まりました。
今回は、渋谷にあるコーデセブンのオフィスにお邪魔して、CEOの河合さんにも同席していただき、お話を伺ってきました。
ーまずは、グエンさんがジーズに入学されたきっかけをお伺いできますでしょうか。
グエンさん:
ジーズに入学したときはちょうど大学を卒業するくらいのタイミングだったんですが、もともと卒業後にはカナダ在住の姉夫婦のところに住む予定がありました。
義理の兄がエンジニアで、兄の紹介でカナダで英語の勉強をしながらプログラミングの仕事もするのはどうか、という話があって、事前に勉強しておこうと思ってジーズの入学を決めたんですが、事情でカナダへ行く話が流れてしまったので、日本で就職をしようと決めました。
ーGGAではどのくらいの数の採用担当の方と会いましたか。
グエンさん:
10社以上の方と名刺交換をさせていただいて、実際にお話を聞きにいったのは、コーデセブンも含めて5社でした。
ーその中でなぜコーデセブンに決めたんでしょうか。
グエンさん:
大学の専攻が心理学で、ゼミの教授がサイコパスなど犯罪者の研究をしている方だったんですが、「どうして人はこんな風になってしまうんだろう?」というところに興味があって、犯罪のニュースや記事を自分でもよく調べていました。
そこで、防犯アプリを作っている今の会社のお話を聞いて、自分の興味がある分野で、それが誰かの役に立つなら良いと思って、こちらの会社を選びました。
ー今はどんな仕事をされていますか。
グエンさん:
うちの会社は、テクノロジーを通じて世界を安全にしていく事業を行なっていますが、主には自社で運営している女性向け防犯メディア「Moly.jp」で防犯に関する記事を書いたり、女性向け防犯アプリ「Moly」のサービス運営を担当しています。
ーエンジニアとしての就職を選ばなかったのはなぜでしょう。
グエンさん:
GGA後にお話を聞きにいった5社の中には、エンジニアとして採用したいと言ってくださる企業もあったんですが、サービスを企画の段階から考えて開発し、デプロイ(※)する、というところまで一通りやってみた中で、コードを書く部分よりも、どうやって課題解決するかを考える部分を担当するほうが自分には向いているのかな、と感じたからです。
※デプロイ…創ったプログラムをサーバー上にアップロードして他の人が使える状態にすること。
大学を出たばかりで何に向いているというのもまだわからない段階で、やってみて初めてわかったので、良い経験ができたと思っています。
ー今のお仕事で、ジーズで学んだことは役に立っていますか。
グエンさん:
そうですね。ジーズに入る前の何もわからない時だったらできなかったと思いますが、サイトのココを少し直したい!というような、フロント側の簡単な修正であれば自分でできます。
ーでは、社長の河合さんにもお話を伺いたいと思います。採用の際に見る一番のポイントはどこですか?
河合さん:
「世の中の問題に対してどう課題解決するか」をきちんと考えられているかどうかを一番に見ています。
ーグエンさんはそこにマッチした、ということでしょうか。
河合さん:
彼女はベトナム人なんですが、お父さんが日本語を話せないというところから着想して、外国語で入力した救急要請を日本語に翻訳してEメールで消防局に送信できる、というサービスを開発して、GGAで発表していました。
自分の課題を世の中の課題に重ねて、自分らしく課題解決をする姿勢が良いと思って、名刺交換会で声をかけました。
ー河合さんはほぼ毎回と言っていいほどGGAに来てくださっていますが、ジーズ生のピッチをご覧になった率直な感想をお聞きできますか。
河合さん:
半年間勉強してプロダクトを創り上げてGGAの場でピッチする・・・って相当大変なことだと思うんですよ。実は私も昔Web系のスクールに通っていたことがあるんですが、なぜ学校に通うかって、人生を変えるために通うんですよね。
そういう腹が決まった人ばかりがピッチする場というのはなかなかないし、ここに出てくるような気概のある人だったら、採用して絶対に損はないと思います。
あとは、「これがすごく好きだから」とか「この課題を解決したいから」という、自分起点で「これを絶対にやりたい!!」という強い思いから生まれたサービスばかりなので、ジーズ生のピッチには毎回刺激をもらえます。
スタートアップの経営者は絶対に一度は見に行くべきだと思いますよ。
ーそんな風にいっていただけると嬉しいです!ありがとうございます。
ーそういえば、以前性犯罪の加害者のインタビュー記事が載っていましたよね。
【独占取材】性犯罪加害者の声を聞く vol.1
ー加害者の方にインタビューしたのはグエンさんですか。
グエンさん:
はい、実際にお会いしてお話を聞きました。お会いする前は正直不安な気持ちもあったんですが、会ってみるとすごく普通の人だな、という印象でした。
ーこれはどういった目的で書かれているんですか。
河合さん:
今は被害者を減らすための防犯アプリを作っていますが、ゆくゆくは「加害者を減らす」ためのアプローチもしていきたいと考えています。
その前段階として加害者側の研究を進めているんですが、その中で実際に伺ったお話を記事として掲載しました。
ー加害者を減らす・・・?それはどういうことなんでしょうか。
河合さん:
犯罪は、「衝動(お酒、ストレス、フェチなど)」と「状況(暗い夜道、歩きスマホ、イヤホンなど)」が掛け合わさって起こるものなんです。
ただ「衝動」は、程度の差があれ、誰しもが持っているものですが、自覚していないことが多い。
自分にはこういった傾向があると自覚をしていれば、加害者になる前に防ぐことができ、犯罪の数を減らすことができるんじゃないか。
そう考えて、「状況」だけではなく、テクノロジーの力を使って加害者の「衝動」を止めるようなものが実現できないかと考え、研究を進めています。
ーそもそもなぜ「犯罪を減らしたい」と思うようになったんでしょうか。
河合さん:
自分には3才の娘がいるんですが、彼女が産まれた時に、可愛いと思うと同時に「この子は俺が守らないと」と強く思ったんです。
そう思った時に、女性や子供を狙った犯罪のニュースを他人事とは思えなくなって。
この子を将来危険な目に合わせたくない!という気持ちで、女性向けの防犯サービスを考えました。
実は、事業計画も娘の年齢を基準にして立ててます。「何年後は娘が何歳になるから、それまでにこんなサービスを作ろう」という感じで。
グエンさん:
事業計画の話は知らなかったです(笑)。
でも、入社前に娘さんを思う気持ちからこのサービスを作ったという話を聞いて、その思いにすごく共感しました。
熱意があるサービスに携わることができるのはすごくいいと思って、入社を決めたというのもありますね。
河合さん:
まとめようと思って取ってつけてない?大丈夫?
グエンさん:
いや、本当ですって!入ってよかったと思ってますよ!
ー終わりに
グエンさんと社長の河合さん、お二人のお話を聞いていて、社会の問題と自分自身の問題意識が重なるところに対して、その問題を「自分ごと」と捉えて課題解決をしていく、というスタンスが共通していると感じました。
ジーズでは卒業までに必ず一つサービスを完成させますが、サービスを作る=事業を一つ作ってそれを披露するということは、自分自身の思い、こうなればいいという理念を表現することです。
GGAの場でサービスのプレゼンをすることで、技術力以外にも自分の多くのことを伝えられ、企業側としてもそれを見ることで、履歴書や職務経歴書からは読み取れない、その人の本質的な部分を見ることができるので、お互いにとってミスマッチ感のない就職が叶ったんだと感じました。
次回は、もともとSIer勤務のエンジニアで、Web系スタートアップに転職した卒業生のインタビューをご紹介します!