「App Store Best of 2016」に卒業生が立ち上げたLandSkipが選出されました!
週末DEVコース第1期卒業生の起業家である下村さんのサービス「LandSkip」が『Appleの「App Store Best of 2016」』に選出!
前半では起業後の事業の状況、後半ではG’s ACADEMYで学んだことのメリット等についてインタビューを実施しました。
下村一樹さん1987年北海道生まれ。北海道大学を卒業後上京し、新卒でApple Japanに入社。コンクリートジャングルに囲まれて働くなかで、都会では自然の風景を楽しめないと実感。コンサルティング会社を経て、風景を使ったコンテンツビジネスを立ち上げるためにプログラミング未経験だったが2015年4月にジーズアカデミーに第一期生として入学。株式会社ランドスキップを設立。スカパー!やApple TVへの映像配信、VR事業などを事業を展開している。
ー受賞おめでとうございます。
ありがとうございます。
ー先日公開されたインタビューも拝見しましたが、とても良かったです。
2016年は下村さん、LandSkipにとっても重要な一年だったかと思いますが、実績の所をざっとご紹介頂いてもよろしいでしょうか。
頂いたものをざっくり挙げると、このような形です。
LIXILさんのアクセラレーターには118社応募があって、光栄にも上位3社の優秀賞に選んでいただけました。あとはAppStoreのBest of 2016をAppleTV部門で受賞いたしました。
新サービスでいうと、これまでは風景の4K映像配信が中心でしたが、今ではほとんどの映像を「VR」、それも8K画質で3D立体視ができる360度映像をつくっています。
独自リグとスティッチング技術で超高解像度VRコンテンツを制作し、SONYさんと一緒にPlayStationVR向けの「anywhereVR」というサービスを展開しています。
ほかにも色々とVRコンテンツやVRアプリの絶賛開発中です!
toC向けにはLandSkipとして、WEB版、スカパー版、AppleTV版を統一ブランドで「テレビを窓に変えます」という風景配信サービスでやっていますね。
toB向けはサイネージIoT事業で、オフィスや銀行などに世界の風景が切り替わるバーチャルウィンドウを導入しています。最近では福岡銀行(ふくおかフィナンシャルグループ)が3月に東京・八重洲でオープンする、地域共創施設「Diagonal Run Tokyo」に導入が決まりました。
ー先日インタビューした中島さんと同じ時期での卒業だったかと思いますが、中島さんはプロダクト開発に力を入れているとのことでした。下村さんは、現在は何に力を入れているフェーズなのでしょうか。
2016年のこれまでもそうですが、2017年も引き続きビジョンを伝えて、社内外の仲間を増やしていきたいと考えています。
ランドスキップの事業はまだ世の中に無いサービスなので、まずはそれを広めていかなければいけないです。
実は創業当時なかなかLandSkipのビジョンって理解されなかったんですよ。「何をやろうとしているのか分からない」「こんなのお金にならない」と。
アプリを出したり、実績が出てくるにつれて、ようやく「これは面白いね」「こうしたらいいんじゃないか」と賛同してくれる会社や応援してくれる人が増えてきました。
まずビジョンファーストで、それに共感する仲間を増やしていく。
これは創業当時から意識していましたが、これからも続けていきたいです。
ー全てのステークホルダーにビジョンを伝えていく上で、意識していることはありますか?
とても難しい所ですが、ディテールにより過ぎないことが大事だと思います。ディテールに寄りすぎると単なる事業説明とか製品紹介になってしまう。かといって夢を語り過ぎても、中身がなくなってしまう。
そのビジョンのさじ加減、抽象的だけどリアリティがある、そのバランスがすごく難しいと思っています。
今のLandSkipはビジョンは「風景の流通」です。
ー卒業前のGGA(Global Geek Audition)の時と少し変わりましたよね。
そうですね。以前に言っていた「指先ひとつで風景を連れてくる」というのは、あくまでサービスのコンセプトかなと思ってきて。
やりたいのは一言でなにかというと「風景の流通」ですと。
そうすると全ての事業はそれで説明がつくんです。
「VR事業とサイネージ事業はぜんぜん違うじゃないか」
いやいや、両方ともやっているのは「風景の流通」なんですよと。
サイネージのIoTもVRも全てはビジョンの実現の手段であって、「風景を流通して、誰もが好きな風景で心癒されるという社会」を実現したいです。
ー事業が理解されるのにご苦労されたというお話がありましたが、起業する前にお客さんの見込みはいたんですか?
誰もいない。本当に理解されなかったんです。(笑)
もちろんお金が付くことも無いし、会う人からは絶対これ儲からなさそうだ、という顔をされていましたね。
ー1番最初の受注は喜びもひとしおですね。
そうですね。何もない中でビジョンを伝えていくことは大変でした。特にLandSkipの生み出す価値は、実際に「体験」しないと分からないものなので。
プロダクトができてない時に「いいね、君のそのビジョンはわかった。やってみてよ、じゃあ。」とチャンスをくれたわけですね。ビジョンに投資してくれた。
正直、技術的にできるのか分からない中で「できます」と言ったこともある。
ビジョンを形にするチャンスをくれた人に対して、とにかく「ちゃんと応えなきゃ」という気持ちで、ひとつずつ自分の中の、LandSkipの中のハードルを越えていって、ようやく「あぁ、こういうことね!」となってきたという所です。
ー今後は人々と風景の関わり方をどう変えていきたいですか?
風景を「日常」にしたいですね。サイネージによる空間演出やVRでの疑似体験って今は特別なものになってると思うんですよね。見せた時に「すごいですね」と言われるのが、今の状況です。
10年後はもっと当たり前のように「えっ?窓って、普通に外の景色が見えるものと、あと自分の好きなものに切り替えるものでしょ?」というようにテクノロジーが日常に溶け込んでいくと思います。
人の心に響く風景はそれぞれ違っていて、例えば100年前の浮世絵や1枚の写真だったりします。
LandSkipはそれを映像化したり、あるいはVR化したりするということが出来ます。
誰もが自分にとって響く風景があって、それを好きなように切り替えられる。それは3日間限定のものでもないし、特別なものでもないし、ましてや高いお金がかかるものでもない。
そういうセカイを当たり前にしたいですね。
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