未経験からデモデーで優勝するアプリができるまでの8か月を全公開!
こんにちは、G’s ACADEMY TOKYO DEVコース7期卒業生の片倉夏実です。前回に引き続き今回もインタビューをさせていただきました。
今回インタビューさせていただいたのは、2018年1月10日におこなわれた『G’s HUB DAY』の第一部「GLOBAL GEEK AUDITION(=GGA)」で優勝されたLABコース3期の高橋洵さんです。
仕事をしながらLABコース(=平日に授業がおこなわれるフルタイム総合コース)でプログラミングを学んだ高橋さんですが、多忙な中でも課題をしっかりとつくりあげたコツ、また卒業制作で苦労した点、GGAまでの過程を詳しく聞かせていただきました。
高橋洵
慶應義塾大学法学部を卒業後、新卒で通信キャリア会社に入社。ブロードバンド事業のサービス企画に従事。
26才の時に株式会社よつば制作所を共同創業し、企業の動画制作・広告の受託業務を始める。現在は同会社の取締役。
↑高橋さんが卒業制作でつくったiOSアプリ「Cross」
近年増えている共働き夫婦の課題となっている家事分担をサポートするためのアプリ。アプリ内で家事・ライフイベントなどの予定・タスクを管理・共有することができ、このアプリによって家の中での行動を可視化することができます。
2018年1月10日に実施された「GLOBAL GEEK AUDITION」にて来場の投資家・企業の投票により本アプリ「Cross」の優勝が決まった。
類似アプリの技術を調べ綿密に予定も立ててから制作を開始しました
– 高橋さん優勝おめでとうございます!今回は優勝アプリ「Cross」がどうやって生まれたのか、詳しくお聞きしたいとおもいます!
高橋洵さん(以下敬称略):はい、まず卒業制作の企画は100個考えました。考えた企画すべてがiOSアプリだったわけではなく、中にはWebアプリもありました。本業で動画制作の仕事をしているので、動画のプロダクトもたくさん考えました。
↑高橋さんが実際に考えていた動画に関連するアイディアの一部
その他にも企画は色々な切り口で考えましたが、最後は「自分ごと」である共働き夫婦のためのアシスタントアプリ「Cross」にしました。もともと卒業制作でつくったプロダクトは必ずリリースしたかったので、リリースしたあとに自分も私生活で使用できるプロダクトだったのが決め手です。
– 高橋さんは入学した時プログラミングは未経験だったのでしょうか?
高橋:はい、未経験でした。ブログを書いたことがあるくらいのレベルです(笑)。MacもG’sに入学した時に初めて購入しました。
LABコースの前半の時期は、夜の9時くらいまで教室でコードを書いて、家に帰ったあとも3時間くらい書いていました。また僕は仕事を辞めていなかったので、授業がある日にコードを書き、G’sが休みの月曜日や、土日は仕事をしていました。
僕は会社で動画制作などの制作の仕事をしているので、ものづくりの進行管理のコツは仕事で養われていたと思います。課題、卒業制作を実装するにあたって特別なタスク管理ツールなどは使っていません。仕事でつちかったコツをプログラミングに応用していました。また今の会社で働きはじめてから色々無茶な案件をこなす機会が多々あり、無茶ぶりに対応する力が鍛えられていたんだと思います。
課題に取り組むモチベーションは同じクラスメンバーの存在でしたね。みんながしっかり課題をつくってくるので、それに負けないよう一所懸命つくっていました。
自分と同じプログラミング未経験のクラスメンバーも多くいたので、自分ができているのかできていないのか、さぼっているのかさぼっていないのかがすぐに分かりました。分からないことがあった時も、できるメンバーに積極的に質問して解消していましたね。
– 卒業制作を創るプロセスはどうでしたか?
ジーズでは「メンター」という一流のプロエンジニアの方が卒業制作をマンツーマンでサポートしてくれるのですが、僕のメンターは長峯さんでした(長峯広雅さん…元LINEのiOSエンジニア。現在はブロックチェーン系のスタートアップにジョイン)。
企画に応じてメンターが決まるのですが、僕はiOSアプリのスキルに特化したメンターさんを希望しました。
卒業制作のスケジュールは自分で組まないといけないのですが、僕の場合は余裕をもって、メイン機能だけは発表までに必ずつくれる予定を組みました。スマートスピーカーとの連携といった追加機能に関しては、時間に余裕ができたらできるようにあらかじめ計画しておきました。
また「Cross」の機能は多岐にわたるので、使用する技術の選定と実現性の検証を事前にしっかり行いました。iOSのライブラリであれば、自分のアプリと近い機能を持っているアプリのライセンス情報を徹底的に調べましたし、スマートスピーカーのような新しい技術であれば、海外で記事を書いていたエンジニアに分からないところを直接質問したりしました。本当に便利な時代です(笑)
考えるより1秒でも多くコードを書きました
– 卒業制作期間中に行き詰まったり、手が止まってしまったりすることはありませんでしたか?
高橋:なんか、たまたま上手くいきました(笑)。僕の場合はメンターさんに最初につくったスケジュールを事前に見てもらいました。使用する技術などもすべて実装を始める前に相談しています。
でも卒業制作期間中、誰かに相談したい時期はありました。他のクラスメンバーには、チーム開発でやっている人たちもいたのですが、開発やプレゼンについて互いに相談できているのは羨ましかったです。
けれど卒業制作期間中はあんまり連絡を取らなかったですね。一度開発合宿で途中経過の発表をしたぐらいでしょうか。
↑2017年11月にクラス内で自主的に開催したLABコース3期の開発合宿
あと僕はプレゼンテーションが嫌いで、仕事でもなるべく断っていました。そして苦手だからこそ、卒業制作のプレゼンテーションの練習とリハーサルはしっかりやりました。またLABコースの前半は2日に一回のペースで課題発表をするので、そこで鍛えられたところもあります。
卒業制作でデザイナーさんなどの力は借りず、デザインはすべて自分でやりました。そしてGGAで優勝したので実力があると思われているんですけれど、僕そんなに自分ができると思っていません(笑)。
–(笑)なぜ優勝したのかあえていうなら、なんだと思いますか?
高橋:おそらく人より手を休めなかったことだと思います。卒業制作でも課題でもそうですが、考えている時間よりも1秒でも多くコードを書きつづける時間をつくる方がいいです。書けば書くほどエラーにあたって経験を得られます。
卒業した今もメンターだった長峯さんと週2回くらいの頻度で相談などしながら「Cross」のブラッシュアップを続けています。今年の春先にリリース予定です。
とりあえずコードを書き、不明点は細かく調べました
— 今のG’s在校生、またこれからG’sに入学することを検討している人たちに向けて、課題をこなすためのアドバイスはありますか?
山崎先生(=G’s ACADEMY TOKYOの主席講師)も仰っていたのですが、分からないことがあっても、コードの記述が汚くてもいいのでとにかく書きつづけることですね。初心者が最初からすべて覚えることは不可能です。
分からないこと分かるようになるためにとりあえずコードを書き、コードを書いた後に細かく調べていくのが良いと思います。
↑高橋さんがLABコース4期の入学式にプレゼンテーションした初心者向けの勉強方法
平日コースにしたのは言い訳できない状況をつくるためでした
– 高橋さんがG’s ACADEMY TOKYOに入学したきっかけを教えてください。
高橋:自分自身のできる分野を広げたかったということと、自分の会社でも受託事業だけではなく自社プロダクトをつくってオーナーシップを持つ必要が出てきたことが入学のきっかけです。
そしてLABコース2期がスタートした時期にG’sの存在を知り、その時から入学を考えていました。そして入学する半年前から社内の体制などの調整をはじめました。
LABコースかDEVコース(=土曜日に授業がある週末集中コース)にするかは最後まで迷いました。結局LABコースを選んだのは、自分が言い訳できない状況をつくりたかったからです。そういった状況の方が自分に向いていると思いました。
G’sで同期やコースの垣根を超えてたくさんの人と知り合えました
— 高橋さんが感じた、G’s ACADEMYに入学して良かった点を教えてください
高橋:普段自分が仕事をしている人たちとは全然違う人たちと関われる点ですね。想像していたよりもコースや期などの垣根を超えて、たくさんの人と知り合うことができました。
自分の仕事である動画制作を教えてほしいと言われたりすることもあるので、自分にとって当たり前のことを新鮮な気持ちで受け取ってもらえるのも嬉しかったです。授業でいえばプログラミングだけではなく、ビジネススキルやデザインについて学べる点も良かったです。
そしてG’s ACADEMY TOKYOのLABコースの良かった所は、圧倒的にコードを書く時間があったことです。G’sに入学したらとにかくコードを書きつづけることが大切だと思います。今は一人でプログラミングの勉強ができるツールは充実しているので、G’sに入学したからにはこのチャンスを生かしてたくさんコードを書いた方が良いです。
高橋さん、本当にありがとうございました!
終わりに
私が高橋さんから教えていただいた、卒業制作を成功させるポイントはこの3つかな、と思います。
・新しく使用する技術は似た事例を調べて事前に検証する
・手を止めずにコードを書き続ける
・モチベーションを維持したい時はクラスメンバーの存在を思い出す
高橋さんはとても穏やかな口調の人で、「自分はそんなに(プログラミング)できません。」と終始謙虚な姿勢を崩さない人でした。
卒業制作や課題について質問すると、仕事の動画制作でつちかった進行管理の経験を生かしつつ、淡々とコードを書きつづけたことが伝わってきました。一緒に学んだクラスメンバーの存在も大きなモチベーションの一つだったようです。
プログラミング未経験者も学習に集中できる環境があり、また共に助けあい成長できる仲間と出会えるG’s ACADEMY TOKYOですが、週末DEVコースは大変人気が高く10期連続満席となっています。そして3月31日には卒業生もまじえた学校説明会も開催予定なので、気軽に参加してみてはいかがでしょうか?